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日本語アブストラクト

August 27, 2020 Vol. 383 No. 9

RET 融合遺伝子陽性非小細胞肺癌に対するセルペルカチニブの有効性
Efficacy of Selpercatinib in RET Fusion–Positive Non–Small-Cell Lung Cancer

A. Drilon and Others

背景

RET 融合遺伝子は,非小細胞肺癌(NSCLC)の 1~2%にみられる癌ドライバー遺伝子である.RET 融合遺伝子陽性 NSCLC 患者における選択的 RET 阻害の有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

RET 融合遺伝子陽性進行 NSCLC を有し,プラチナベースの化学療法歴のある患者と未治療の患者を,セルペルカチニブ(selpercatinib)の第 1・2 相試験に別々に組み入れた.主要エンドポイントは客観的奏効(完全奏効または部分奏効)とし,判定は独立判定委員会が行った.副次的エンドポイントは,奏効期間,無増悪生存,安全性などとした.

結 果

RET 融合遺伝子陽性 NSCLC を有し,少なくともプラチナベースの化学療法歴のある患者で,連続的に登録された最初の 105 例では,客観的奏効が得られた割合は 64%(95%信頼区間 [CI] 54~73)であった.奏効期間中央値は 17.5 ヵ月(95% CI 12.0~評価不能)であり,追跡期間中央値 12.1 ヵ月の時点で奏効の 63%が持続していた.未治療の 39 例では,客観的奏効が得られた割合は 85%(95% CI 70~94)であり,6 ヵ月の時点で奏効の 90%が持続していた.組入れ時に測定可能な中枢神経系転移を有していた 11 例では,客観的頭蓋内奏効が得られた割合は 91%(95% CI 59~100)であった.とくに頻度の高かったグレード 3 以上の有害事象は,高血圧(患者の 14%),アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇(12%),アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇(10%),低ナトリウム血症(6%),リンパ球減少(6%)であった.531 例中 12 例(2%)が薬剤関連有害事象のためにセルペルカチニブの投与を中止した.

結 論

RET 融合遺伝子陽性 NSCLC を有し,プラチナベースの化学療法歴のある患者と未治療の患者では,セルペルカチニブによって頭蓋内効果を含む持続的な有効性が認められ,毒性は主に低グレードであった.(ロキソ・オンコロジー社ほかから研究助成を受けた.LIBRETTO-001 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03157128)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 813 - 24. )