The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

September 3, 2020 Vol. 383 No. 10

十分な医療サービスを受けていない患者における減量 ― クラスター無作為化試験
Weight Loss in Underserved Patients — A Cluster-Randomized Trial

P.T. Katzmarzyk and Others

背景

十分な医療サービスを受けていない集団に対してプライマリケアの場で行われる肥満治療の効果に関するエビデンスは不足している.

方 法

低所得層の患者の割合が高いプライマリケアクリニックにおいて,肥満治療としての生活習慣介入を中心とする強度の高いプログラムの効果を検証するクラスター無作為化試験を行った.18 ヵ所のクリニックを,患者にカロリー摂取量の減少と身体活動の増加に焦点を当てた強力な生活習慣介入を行う群と,通常診療を行う群に無作為に割り付けた.強力な生活習慣介入群の患者は,クリニックに所属するヘルスコーチが提供する強度の高いプログラムに参加した.プログラムは,最初の 6 ヵ月間は週 1 回のセッション,残りの 18 ヵ月間は月 1 回のセッションで構成された.通常診療群の患者は,プライマリケアチームによる標準的な診療を受けた.主要評価項目は,24 ヵ月の時点での体重のベースラインからの変化量(%)とした.

結 果

18 ヵ所のクリニック(強力なプログラム 9 ヵ所,通常診療 9 ヵ所)のすべてが 24 ヵ月の参加期間を完了した.クリニックあたりの登録患者数の中央値は 40.5 例であった.肥満の成人 803 例が登録され,452 例が強力な生活習慣介入群,351 例が通常診療群に割り付けられた.67.2%が黒人であり,65.5%は年間世帯所得が 40,000 ドル未満であった.登録患者の 83.4%が 24 ヵ月の試験を完了した.24 ヵ月の時点での体重減少率は,強力な生活習慣介入群(体重の変化量 -4.99%,95%信頼区間 [CI] -6.02~-3.96)のほうが通常診療群(-0.48%,95% CI -1.57~0.61)よりも有意に大きく,群間差の平均は -4.51 パーセントポイント(95% CI -5.93~-3.10)であった(P<0.001).重篤な有害事象に群間で有意差は認められなかった.

結 論

十分なプライマリケアを受けていない集団の肥満治療として生活習慣介入を中心とする強度の高いプログラムを行ったところ,24 ヵ月の時点で臨床的に有意な体重減少が得られた.(患者中心アウトカム研究所ほかから研究助成を受けた.PROPEL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02561221)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2020; 383 : 909 - 18. )