The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 21, 2021 Vol. 384 No. 3

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

Covid-19 外来患者に対する中和抗体カクテル REGN-COV2
REGN-COV2, a Neutralizing Antibody Cocktail, in Outpatients with Covid-19

D.M. Weinreich and Others

背景

最近のデータでは,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)による合併症と死亡は,高いウイルス量と関連する可能性が示唆されている.

方 法

現在進行中の Covid-19 非入院患者を対象とした二重盲検第 1~3 相試験で,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)スパイク蛋白に対する 2 種類の完全ヒト中和モノクローナル抗体を検討した.2 種類の抗体は,治療抵抗性変異ウイルスの出現リスクを低減するため,組み合わせたカクテル(REGN-COV2)として使用した.患者を,プラセボを投与する群,REGN-COV2 を 2.4 g 投与する群,8.0 g 投与する群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付け,ベースライン時の SARS-CoV-2 に対する内因性の免疫応答(血清抗体陽性または血清抗体陰性)を前向きに評価した.重要なエンドポイントは,ベースライン(1 日目)から 7 日目までのウイルス量変化の時間加重平均,29 日目までの Covid-19 関連の受診が 1 回以上の患者の割合などとした.安全性を全例で評価した.

結 果

275 例のデータが報告されている.1 日目から 7 日目までのウイルス量変化の時間加重平均の最小二乗平均差(REGN-COV2 の 2 用量を統合した群 [REGN-COV2 群] 対 プラセボ群)は,ベースライン時に血清抗体陰性であった患者では -0.56 log10 コピー/mL(95%信頼区間 [CI] -1.02~-0.11),試験集団全体では -0.41 log10 コピー/mL(95% CI -0.71~-0.10)であった.1 回以上の受診を報告した患者の割合は,試験集団全体ではプラセボ群 6%,REGN-COV2 群 3%であり,ベースライン時に血清抗体陰性であった患者ではプラセボ群 15%,REGN-COV2 群 6%であった(差 -9 パーセントポイント,95% CI -29~11).過敏反応,注入に伴う反応,その他の有害事象が発現した患者の割合は,REGN-COV2 群とプラセボ群で同程度であった.

結 論

この中間解析では,抗体カクテル REGN-COV2 はウイルス量を低下させ,その効果は免疫応答がまだ開始されていないか,ベースライン時に高いウイルス量を示した患者でより大きかった.安全性転帰は REGN-COV2 群とプラセボ群で同様であった.(リジェネロン・ファーマシューティカルズ社,米国保健福祉省 生物医学先端研究開発局から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号NCT04425629)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 384 : 238 - 51. )