The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 28, 2021 Vol. 384 No. 4

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

心房細動に対する初回治療としてのクライオアブレーションと薬物療法との比較
Cryoablation or Drug Therapy for Initial Treatment of Atrial Fibrillation

J.G. Andrade and Others

背景

ガイドラインでは,心房細動患者に対してカテーテルアブレーションを検討する前に,抗不整脈薬を 1 種類以上使用することが推奨されている.しかし,アブレーションを第一選択として行うほうが洞調律の維持に有効である可能性がある.

方 法

未治療の有症候性発作性心房細動患者 303 例を,初回リズムコントロールとしてクライオバルーンを用いたカテーテルアブレーション(冷凍焼灼術)を施行する群と,抗不整脈薬療法を行う群に無作為に割り付けた.心房性頻脈性不整脈を検出するために,全例に植込み型心臓モニタリングデバイスを植え込んだ.追跡期間は 12 ヵ月であった.主要エンドポイントは,カテーテルアブレーション施行または抗不整脈薬投与開始から 91~365 日後に確認された心房性頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動,心房頻拍)の初回再発とした.副次的エンドポイントは,有症候性不整脈がないこと,心房細動の負荷,QOL などとした.

結 果

1 年の時点で,心房性頻脈性不整脈の再発は,アブレーション施行に割り付けられた 154 例中 66 例(42.9%)と抗不整脈薬投与に割り付けられた 149 例中 101 例(67.8%)で生じた(ハザード比 0.48,95%信頼区間 [CI] 0.35~0.66,P<0.001).有症候性心房性頻脈性不整脈は,アブレーションを受けた患者の 11.0%と抗不整脈薬投与を受けた患者の 26.2%で再発した(ハザード比 0.39,95% CI 0.22~0.68).心房細動の状態にあった時間の割合の中央値は,アブレーション群で 0%(四分位範囲 0~0.08),抗不整脈薬群で 0.13%(四分位範囲 0~1.60)であった.重篤な有害事象はアブレーション群の 5 例(3.2%)と抗不整脈薬群の 6 例(4.0%)に発現した.

結 論

有症候性発作性心房細動に対する初回治療としてクライオバルーンを用いたカテーテルアブレーションを受けた患者は,抗不整脈薬療法を受けた患者と比較して,持続心調律モニタリングにより評価した心房細動の再発率が有意に低かった.(カナダ不整脈ネットワークほかから研究助成を受けた.EARLY-AF 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02825979)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 384 : 305 - 15. )