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March 4, 2021 Vol. 384 No. 9

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進行腎細胞癌に対するニボルマブとカボザンチニブの併用とスニチニブとの比較
Nivolumab plus Cabozantinib versus Sunitinib for Advanced Renal-Cell Carcinoma

T.K. Choueiri and Others

背景

未治療の進行腎細胞癌の治療において,ニボルマブとカボザンチニブの併用の,スニチニブと比較した有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

第 3 相無作為化非盲検試験で,未治療の淡明細胞型進行腎細胞癌を有する成人を,ニボルマブ(240 mg を 2 週ごと)とカボザンチニブ(40 mg を 1 日 1 回)を併用投与する群と,スニチニブ(6 週間を 1 サイクルとして,最初の 4 週間に 50 mg を 1 日 1 回)を投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間とし,盲検下で独立中央判定機関が判定した.副次的エンドポイントは,全生存期間,独立判定機関の判定による客観的奏効,安全性などとした.健康関連 QOL を探索的エンドポイントとした.

結 果

全体で,651 例がニボルマブ+カボザンチニブ群(323 例)とスニチニブ群(328 例)に割り付けられた.全生存期間の追跡期間中央値 18.1 ヵ月の時点で,無増悪生存期間の中央値は,ニボルマブ+カボザンチニブ群 16.6 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 12.5~24.9),スニチニブ群 8.3 ヵ月(95% CI 7.0~9.7)であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.51,95% CI 0.41~0.64,P<0.001).12 ヵ月の時点での全生存確率は,ニボルマブ+カボザンチニブ群 85.7%(95% CI 81.3~89.1),スニチニブ群 75.6%(95% CI 70.5~80.0)であった(死亡のハザード比 0.60,98.89% CI 0.40~0.89,P=0.001).客観的奏効は,ニボルマブ+カボザンチニブ群の 55.7%とスニチニブ群の 27.1%に認められた(P<0.001).ニボルマブ+カボザンチニブによる有効性の利益は,サブグループ全体に一貫して認められた.原因を問わないグレード 3 以上の有害事象は,ニボルマブ+カボザンチニブの投与を受けた 320 例のうち 75.3%と,スニチニブの投与を受けた 320 例のうち 70.6%に発現した.全体で,併用群の 19.7%が有害事象のために試験薬の少なくとも 1 剤を中止し,5.6%が両剤を中止した.患者報告による健康関連 QOL は,ニボルマブ+カボザンチニブ群のほうがスニチニブ群よりも良好であった.

結 論

未治療の進行腎細胞癌患者において,ニボルマブとカボザンチニブの併用は,無増悪生存期間,全生存期間,奏効の確率に関して,スニチニブと比較して有意な利益をもたらした.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ほかから研究助成を受けた.CheckMate 9ER 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03141177)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 384 : 829 - 41. )