December 16, 2021 Vol. 385 No. 25
AZD1222(ChAdOx1 nCoV-19)Covid-19 ワクチンの第 3 相試験における安全性と有効性
Phase 3 Safety and Efficacy of AZD1222 (ChAdOx1 nCoV-19) Covid-19 Vaccine
A.R. Falsey and Others
米国,チリ,ペルーの,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染リスクの高い大規模かつ多様な集団における,AZD1222(ChAdOx1 nCoV-19)ワクチンの安全性と有効性は不明である.
米国,チリ,ペルーの高齢者を含む成人を対象として,AZD1222 の 2 回接種の安全性,有効性,免疫原性を検討する現在進行中の二重盲検無作為化プラセボ対照第 3 相試験において,2 回目の接種後 15 日以降の,症状を伴う新型コロナウイルス感染症(Covid-19)および重症 Covid-19 の予防効果をプラセボと比較した.
32,451 例が,AZD1222 を接種する群(21,635 例)とプラセボを接種する群(10,816 例)に,2:1 の割合で無作為に割り付けられた.AZD1222 は安全であり,診療を要した重篤な有害事象およびとくに注目すべき有害事象の発現率は低く,プラセボ群と同程度であった.安全性データとして収集した局所反応および全身反応は,いずれの群においても大部分が軽度または中等度であった.ワクチンの有効性は,全体では 74.0%(95%信頼区間 [CI] 65.3~80.5,P<0.001),65 歳以上では 83.5%(95% CI 54.2~94.1)と推定された.ワクチンの高い有効性は,さまざまな人口統計学的サブグループで一貫していた.接種完了者解析の対象集団では,重症または重篤な Covid-19 の症例は,AZD1222 群の 17,662 例では認められず,プラセボ群の 8,550 例では 8 例(<0.1%)に認められた.SARS-CoV-2 感染(ヌクレオカプシド抗体の陽転化)の予防におけるワクチンの有効性は,64.3%(95% CI 56.1~71.0,P<0.001)と推定された.SARS-CoV-2 スパイク蛋白の結合抗体および中和抗体は初回接種後に増加し,2 回目の接種後 28 日目の測定ではさらに増加した.
AZD1222 は,高齢者を含む多様な集団において,症状を伴う Covid-19 および重症 Covid-19 の予防に安全かつ有効であった.(アストラゼネカ社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04516746)