The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 14, 2022 Vol. 386 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

新鮮アキレス腱断裂の保存的治療と外科的治療との比較
Nonoperative or Surgical Treatment of Acute Achilles’ Tendon Rupture

S.B. Myhrvold and Others

背景

新鮮アキレス腱断裂に対しては,直視下または低侵襲アプローチによる外科的修復を行うほうが,保存的治療を行うよりも良好な転帰に関連するかどうかは明らかにされていない.

方 法

4 ヵ所の試験実施施設を受診した成人の新鮮アキレス腱断裂患者を対象として,保存的治療,直視下手術,低侵襲手術を比較する多施設共同無作為化比較試験を行った.主要転帰は,12 ヵ月の時点でのアキレス腱完全断裂転帰スコア(ATRS;0~100 で,スコアが高いほど健康状態が良好であることを示す)のベースラインからの変化量とした.副次的転帰は再断裂率などとした.

結 果

554 例が無作為化され,526 例が最終解析の対象となった.ATRS の変化量の平均は,保存的治療群で -17.0 ポイント,直視下手術群で -16.0 ポイント,低侵襲手術群で -14.7 ポイントであった(P=0.57).一対比較法で群間差は認められなかった.身体能力,および患者報告による身体機能のベースラインからの変化量は,3 群で同程度であった.再断裂率は,保存的治療群(6.2%)が直視下手術群と低侵襲手術群(各 0.6%)よりも高かった.神経損傷は,低侵襲手術群で 9 件(患者の 5.2%)発生したのに対し,直視下手術群では 5 件(2.8%),保存的治療群では 1 件(0.6%)発生した.

結 論

アキレス腱断裂患者において,手術(直視下手術または低侵襲手術)は,保存的治療と比較して 12 ヵ月の時点での転帰が良好であることには関連しなかった.(ノルウェー南東部地域保健局,アーケシュフース大学病院から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01785264)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 1409 - 20. )