RBD ダイマー由来の Covid-19 ワクチン ZF2001 の成人における有効性と安全性
Efficacy and Safety of the RBD-Dimer–Based Covid-19 Vaccine ZF2001 in Adults
L. Dai and Others
ZF2001 ワクチンは,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)の受容体結合ドメインの二量体と,アジュバントとして水酸化アルミニウムを含有する.第 1 相試験と第 2 相試験では,成人において,許容可能な副反応プロファイルとともに,安全性と免疫原性が示された.
ZF2001 の有効性を検討し,安全性を確認するため,無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験を行った.試験はウズベキスタン,インドネシア,パキスタン,エクアドルの 31 の臨床施設で行われ,安全性解析のみに中国の 1 施設が追加された.成人の参加者(18 歳以上)を,ZF2001 25 μg を計 3 回(30 日間隔)接種する群と,プラセボを接種する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,3 回目接種後 7 日以降の,PCR 法で確認された有症状の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の発生とした.主な副次的有効性エンドポイントは,3 回目接種後 7 日以降の,重症・重篤な Covid-19(Covid-19 関連死を含む)の発生とした.
2020 年 12 月 12 日~2021 年 12 月 15 日に,28,873 例が ZF2001 またはプラセボの接種を少なくとも 1 回受け,安全性解析の対象とした.3 回の接種を完了し,約 6 ヵ月間の追跡データがあった 25,193 例を,2 回目のデータカットオフ日である 2021 年 12 月 15 日に行った最新の主要有効性解析の対象とした.その解析では,主要エンドポイントである有症状の Covid-19 は,ZF2001 群の 12,625 例中 158 例,プラセボ群の 12,568 例中 580 例で報告され,ワクチンの有効率は 75.7%(95%信頼区間 [CI] 71.0~79.8)であった.重症・重篤な Covid-19 は,ZF2001 群では 6 例,プラセボ群では 43 例発生し,ワクチンの有効率は 87.6%(95% CI 70.6~95.7)であった.Covid-19 関連死は,それぞれ 2 例と 12 例で生じ,ワクチンの有効率は 86.5%(95% CI 38.9~98.5)であった.有害事象の発現率,および重篤な有害事象の発現率は 2 群で均衡がとれており,ワクチン関連死はなかった.副反応の大部分(98.5%)はグレード 1 または 2 であった.
成人の大規模コホートにおいて,ZF2001 ワクチンは安全であり,完全接種後少なくとも 6 ヵ月間,有症状の Covid-19 の予防,および重症・重篤な Covid-19 の予防に有効であることが示された.(中国国家科学技術の大規模プロジェクトほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04646590)