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October 20, 2022 Vol. 387 No. 16

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1 型糖尿病に対する間歇スキャン式持続血糖測定
Intermittently Scanned Continuous Glucose Monitoring for Type 1 Diabetes

L. Leelarathna and Others

背景

糖化ヘモグロビン値が高い 1 型糖尿病患者における,血糖値高値・低値でアラームを設定することのできる間歇スキャン式持続血糖測定の利益は明らかにされていない.

方 法

1 型糖尿病を有し,糖化ヘモグロビン値が 7.5~11.0%の参加者を対象とした並行群間多施設共同無作為化比較試験で,間歇スキャン式持続血糖測定の有効性を,指先穿刺による血糖自己測定と比較検討した.主要転帰は,24 週の時点での糖化ヘモグロビン値とし,intention-to-treat の原則に基づいて解析した.主な副次的転帰は,センサーデータ,参加者が報告した転帰指標,安全性とした.

結 果

156 例が 1:1 の割合で,間歇スキャン式持続血糖測定群(介入群,78 例)と,指先穿刺による血糖自己測定群(通常治療群,78 例)に無作為に割り付けられた.ベースラインの時点で,参加者の平均(±SD)年齢は 44±15 歳,糖尿病罹病期間の平均は 21±13 年であり,参加者の 44%が女性であった.ベースライン時の糖化ヘモグロビン値の平均は,介入群 8.7±0.9%,通常治療群 8.5±0.8%であり,24 週の時点でそれぞれ 7.9±0.8%と 8.3±0.9%に低下した(補正後の群間差の平均 -0.5 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -0.7~-0.3,P<0.001).血糖値が目標範囲内にあった 1 日あたりの時間は,介入群のほうが通常治療群よりも 9.0 パーセントポイント(95% CI 4.7~13.3)高く,130 分(95% CI 68~192)長かった.低血糖状態(血糖値 70 mg/dL 未満 [3.9 mmol/L 未満])にあった時間は,介入群のほうが 3.0 パーセントポイント(95% CI 1.4~4.5)低く,43 分(95% CI 20~65)短かった.通常治療群の 2 例に重症低血糖のエピソードがあり,介入群の 1 例にセンサーに対する皮膚反応が認められた.

結 論

糖化ヘモグロビン値が高い 1 型糖尿病患者において,血糖値高値・低値でアラームを設定することのできる間歇スキャン式持続血糖測定を使用した場合,指先穿刺による自己測定と比較して,糖化ヘモグロビン値が有意に低くなった.(英国糖尿病協会ほかから研究助成を受けた.FLASH-UK 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03815006)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1477 - 87. )