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November 3, 2022 Vol. 387 No. 18

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超早産児に対する早期のアミノ酸投与と 2 年の時点での神経障害
Early Amino Acids in Extremely Preterm Infants and Neurodisability at 2 Years

F.H. Bloomfield and Others

背景

超低出生体重児では,アミノ酸の非経口投与で摂取量を増やすことにより,転帰が改善するかどうかは明らかにされていない.

方 法

多施設共同並行群間二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,8 つの新生児集中治療室で,出生体重 1,000 g 未満の乳児を,出生後 5 日間,通常の栄養に加えてアミノ酸を 1 日 1 g 投与する群(介入群)と,プラセボを投与する群に割り付けた.主要転帰は 2 年の時点での神経障害を伴わない生存とし,ベイリー乳幼児発達検査と神経学的検査を用いて評価し,出生時の在胎期間で補正した.副次的転帰は,主要転帰の各項目のほか,新生児障害の有無,成長速度,栄養摂取量とした.

結 果

434 例(各群 217 例)が試験に登録された.神経障害を伴わない生存は,介入群では 203 例中 97 例(47.8%),プラセボ群では 205 例中 102 例(49.8%)に認められた(補正後の相対リスク 0.95,95% 信頼区間 [CI] 0.79~1.14,P=0.56).2 歳未満での死亡は,介入群では 217 例中 39 例(18.0%),プラセボ群では 217 例中 42 例(19.4%)に発生し(補正後の相対リスク 0.93,95% CI 0.63~1.36),神経障害は,介入群では 164 例中 67 例(40.9%),プラセボ群では 163 例中 61例(37.4%)に発生した(補正後の相対リスク 1.16,95% CI 0.90~1.50).神経障害は,介入群の 27 例(16.6%)とプラセボ群の 14 例(8.6%)で,中等度~重度であった(補正後の相対リスク 1.95,95% CI 1.09~3.48).介入群では,動脈管開存症を発症した児がプラセボ群よりも多かった(補正後の相対リスク 1.65,95% CI 1.11~2.46).事後解析では,リフィーディング症候群が介入群の 172 例中 42 例とプラセボ群の 166 例中 26 例に発生した(補正後の相対リスク 1.64,95% CI 1.09~2.47).重篤な有害事象は 8 件発現した.

結 論

超低出生体重児において,生後 5 日間,アミノ酸 1 日 1 g の非経口投与を追加しても,2 年の時点での神経障害を伴わない生存は増加しなかった.(ニュージーランド保健研究評議会ほかから研究助成を受けた.ProVIDe 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12612001084875)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1661 - 72. )