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December 15, 2022 Vol. 387 No. 24

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栄養障害型表皮水疱症に対するベレマジーン ジパーパベック(B-VEC)の試験
Trial of Beremagene Geperpavec (B-VEC) for Dystrophic Epidermolysis Bullosa

S.V. Guide and Others

背景

栄養障害型表皮水疱症は,COL7A1 の変異に起因するまれな遺伝性水疱性皮膚疾患である.COL7A1 は,VII 型コラーゲン(C7)をコードする遺伝子である.ベレマジーン ジパーパベック(beremagene geperpavec:B-VEC)は,現在臨床試験中の,単純ヘルペスウイルス 1 型(HSV-1)ベースの局所的遺伝子治療であり,COL7A1 を送達することで C7 蛋白を修復するようデザインされている.

方 法

遺伝子学的に確認された栄養障害型表皮水疱症を有する,生後 6 ヵ月以上の患者を対象として,第 3 相二重盲検患者内無作為化プラセボ対照試験を行った.患者ごとに,創大きさ,部位,外観をマッチさせた「主要創」のペアを選択した.各ペア内の創を,B-VEC を週 1 回,26 週間塗布する群と,プラセボを塗布する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,6 ヵ月時点での治療を行った創の完全治癒とし,治療を行わなかった創と比較した.副次的エンドポイントは,3 ヵ月時点での完全な創治癒と,ベースラインから 22,24,26 週目までの創被覆材交換時の疼痛強度の変化とし,ビジュアルアナログスケール(0~10 で,数値が高いほど疼痛が強いことを示す)を用いて評価した.

結 果

31 例が組み入れられ,主要創のペア 31 組に,B-VEC またはプラセボを塗布した.6 ヵ月時点での完全な創治癒は,B-VECを塗布した創の 67%で得られたのに対し,プラセボを塗布した創では 22%であった(差 46 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 24~68,P=0.002).3 ヵ月時点での完全な創治癒は,B-VEC を塗布した創の 71%で得られたのに対し,プラセボを塗布した創では 20%であった(差 51 パーセントポイント,95% CI 29~73,P<0.001).創被覆材交換時の疼痛強度のベースラインから 22 週目までの変化量の平均は,B-VEC を塗布した創で -0.88,プラセボを塗布した創で -0.71 であり(補正後の最小二乗平均差 -0.61,95% CI -1.10~-0.13),24 週目,26 週目までの変化量の平均も同程度であった.B-VEC とプラセボによる有害事象は瘙痒,悪寒などであった.

結 論

栄養障害型表皮水疱症患者に B-VEC 外用を行った場合,プラセボ外用よりも 3 ヵ月および 6 ヵ月の時点での完全な創治癒の可能性が高かった.B-VEC による治療を受けた患者では,瘙痒と軽度の全身性副作用が認められた.この疾患に対する B-VEC の効果の持続性と副作用を明らかにするためには,より長期かつ大規模な試験が必要である.(クリスタル・バイオテック社から研究助成を受けた.GEM-3 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04491604)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 2211 - 9. )