December 15, 2022 Vol. 387 No. 24
肥満の思春期児に対するセマグルチドの週 1 回投与
Once-Weekly Semaglutide in Adolescents with Obesity
D. Weghuber and Others
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬であるセマグルチドの 2.4 mg 週 1 回皮下投与は,成人の肥満治療に用いられているが,思春期児における評価は不足している.
肥満(体格指数 [BMI] 95 パーセンタイル以上),または過体重(BMI 85 パーセンタイル以上)で体重に関連する併存疾患を 1 つ以上有する思春期児(12 歳~18 歳未満)を,二重盲検並行群間無作為化プラセボ対照試験に組み入れた.参加者を,生活習慣介入に加えて,セマグルチド(用量 2.4 mg)を週 1 回,68 週間皮下投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,ベースラインから 68 週目までの BMI の変化量(%)とし,副次的確証的エンドポイントは,68 週時点での 5%以上の体重減少とした.
201 例が無作為化され,180 例(90%)が治療を完了した.1 例を除く全例が肥満であった.ベースラインから 68 週目までの BMI の変化量(%)の平均は,セマグルチド群で -16.1%,プラセボ群で 0.6% であった(推定差 -16.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -20.3~-13.2,P<0.001).68 週時点での 5%以上の体重減少は,セマグルチド群の 131 例中 95 例(73%)で得られたのに対し,プラセボ群では 62 例中 11 例(18%)であった(推定オッズ比 14.0,95% CI 6.3~31.0,P<0.001).セマグルチド群では,プラセボ群と比較して,体重減少と,心血管代謝危険因子(腹囲,糖化ヘモグロビン値,脂質値 [高比重リポ蛋白コレステロール値を除く],アラニンアミノトランスフェラーゼ値)の改善が大きかった.消化器系有害事象の発現率は,セマグルチド群のほうがプラセボ群よりも高かった(62% 対 42%).セマグルチド群の 5 例(4%)に胆石症が生じたが,プラセボ群では生じなかった.重篤な有害事象は,セマグルチド群の 133 例中 15 例(11%)と,プラセボ群の 67 例中 6 例(9%)で報告された.
肥満の思春期児に対して,生活習慣介入に加えてセマグルチド 2.4 mg 週 1 回投与を行った場合,生活習慣介入のみを行った場合と比較して,BMI が大きく低下した.(ノボ ノルディスク社から研究助成を受けた.STEP TEENS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04102189)