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July 28, 2022 Vol. 387 No. 4

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皮膚エリテマトーデスに対する抗 BDCA2 抗体リティフィリマブの試験
Trial of Anti-BDCA2 Antibody Litifilimab for Cutaneous Lupus Erythematosus

V.P. Werth and Others

背景

血液樹状細胞抗原 2(BDCA2)は形質細胞様樹状細胞にのみ発現する受容体であり,形質細胞様樹状細胞は全身性エリテマトーデスの発症機序に関与している.BDCA2 に対するヒト化モノクローナル抗体であるリティフィリマブ(litifilimab)を用いた治療が,皮膚エリテマトーデス患者の疾患活動性の低下に有効であるかどうかについては,広く研究されていない.

方 法

第 2 相試験で,全身症状の有無にかかわらず,組織学的に確認された皮膚エリテマトーデスの成人を,リティフィリマブ(用量は 50 mg,150 mg,450 mg のいずれか)を 0,2,4,8,12 週目に皮下投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントはベースラインから 16 週までの皮膚エリテマトーデスの疾患面積・重症度指数活動性スコア(CLASI-A;0~70 で,スコアが高いほど皮膚病変が広範または重度であることを示す)の変化量(%)とし,用量反応モデルを用いて,4 群に反応があったかどうかを評価した.安全性も評価した.

結 果

132 例が登録され,26 例がリティフィリマブ 50 mg 群,25 例が 150 mg 群,48 例が 450 mg 群,33 例がプラセボ群に割り付けられた.各群のベースラインの CLASI-A スコアの平均は,それぞれ 15.2,18.4,16.5,16.5 であった.16 週の時点における CLASI-A スコアのベースラインからの変化率のプラセボ群との差は,リティフィリマブ 50 mg 群では -24.3 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -43.7~-4.9),150 mg 群では -33.4 パーセントポイント(95% CI -52.7~-14.1),450 mg 群では -28.0 パーセントポイント(95% CI -44.6~-11.4)であった.変化率の最小二乗平均を用いて行った,3 つの薬物用量レベルとプラセボを含めた最適な用量反応モデルに関する主要解析では,有意な効果を示した.副次的エンドポイントの大部分は,主要解析の結果を支持しなかった.リティフィリマブは,過敏症 3 例,口腔ヘルペス感染症 3 例,帯状疱疹感染症 1 例と関連した.また 1 例で,帯状疱疹髄膜炎がその参加者がリティフィリマブの最終投与を受けた 4 ヵ月後に発生した.

結 論

皮膚エリテマトーデス患者を対象とした第 2 相試験で,16 週間の皮膚疾患活動性の指標に関して,リティフィリマブによる治療はプラセボよりも優れていた.皮膚エリテマトーデスの治療におけるリティフィリマブの効果と安全性を明らかにするためには,より大規模かつより長期の試験が必要である.(バイオジェン社から研究助成を受けた.LILAC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02847598)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 321 - 31. )