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August 18, 2022 Vol. 387 No. 7

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新型コロナウイルス感染症に対するメトホルミン,イベルメクチン,フルボキサミンの無作為化試験
Randomized Trial of Metformin, Ivermectin, and Fluvoxamine for Covid-19

C.T. Bramante and Others

背景

重症の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)を予防するための早期治療は,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)のパンデミックに対する包括的な対応における重要な要素である.

方 法

第 3 相二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,2×3 要因デザインを用いて,入院していない成人患者の重篤な Covid-19 の予防における,メトホルミン,イベルメクチン,フルボキサミンの 3 つの薬剤の転用の有効性を検討した.SARS-CoV-2 感染の確定後 3 日以内,症状発現後 7 日以内の,30~85 歳の過体重または肥満の患者を対象とした.主要複合エンドポイントは,低酸素血症(自宅での測定で,酸素飽和度≦93%),救急受診,入院,死亡とした.すべての解析は,同時に無作為化した対照を用いて行い,SARS-CoV-2 ワクチン接種状況や,ほかの試験薬の使用で補正した.

結 果

1,431 例が無作為化され,1,323 例が主要解析の対象となった.年齢中央値は 46 歳で,56%が女性(うち 6%が妊娠中),52%がワクチンを接種していた.主要エンドポイントイベントの補正オッズ比は,メトホルミンで 0.84(95%信頼区間 [CI] 0.66~1.09,P=0.19),イベルメクチンで 1.05(95% CI 0.76~1.45,P=0.78),フルボキサミンで 0.94(95% CI 0.66~1.36,P=0.75)であった.事前に規定した副次的解析では,救急受診,入院,死亡の補正オッズ比は,メトホルミンで 0.58(95% CI 0.35~0.94),イベルメクチンで 1.39(95% CI 0.72~2.69),フルボキサミンで 1.17(95% CI 0.57~2.40)であった.入院または死亡の補正オッズ比は,メトホルミンで 0.47(95% CI 0.20~1.11),イベルメクチンで 0.73(95% CI 0.19~2.77),フルボキサミンで 1.11(95% CI 0.33~3.76)であった.

結 論

今回検討した 3 つの薬剤のいずれも,Covid-19 に関連する低酸素血症,救急受診,入院,死亡の発生を予防しなかった.(パースマス財団ほかから研究助成を受けた.COVID-OUT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04510194)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 599 - 610. )