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September 8, 2022 Vol. 387 No. 10

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1 型糖尿病におけるオープンソースを用いた自動インスリン投与
Open-Source Automated Insulin Delivery in Type 1 Diabetes

M.J. Burnside and Others

背景

多くの 1 型糖尿病患者がオープンソースの自動インスリン投与(AID)システムを使用している.その有効性と安全性に関するデータが必要である.

方 法

多施設共同非盲検無作為化比較試験で,1 型糖尿病患者を,オープンソースの AID システムを使用する群と,センサー付きインスリンポンプを使用する群(対照群)に 1:1 の割合で割り付けた.小児(7~15 歳と定義)と成人(16~70 歳と定義)の両方を対象とした.AID システムは,AndroidAPS 2.8(標準的な OpenAPS 0.7.0 アルゴリズムを使用)の修正版で,試作段階の DANA-i インスリンポンプと Dexcom G6 持続血糖モニター(CGM)をペアリングして使用し,ユーザーインターフェースは,Android スマートフォンアプリケーションである.主要転帰は,155~168 日目(試験の最後の 2 週間)に血糖値が目標範囲の 70~180 mg/dL(3.9~10.0 mmol/L)であった時間の割合とした.

結 果

97 例(小児 48 例,成人 49 例)が無作為化された(オープンソース AID 群 44 例,対照群 53 例).24 週の時点で,血糖値が目標範囲内であった時間の割合の平均(±SD)は,AID 群ではベースライン時の 61.2±12.3%から 71.2±12.1%に増加したのに対し,対照群では 57.7±14.3%から 54.5±16.0%に減少し(補正後の差 14 パーセントポイント,95%信頼区間 9.2~18.8,P<0.001),年齢による治療効果の差は認められなかった(P=0.56).AID 群では,1 日に血糖値が目標範囲内であった時間が,対照群よりも 3 時間 21 分長かった.重度の低血糖と糖尿病性ケトアシドーシスはいずれの群にも発現しなかった.AID 群の 2 例は接続性の問題で試験から離脱した.

結 論

1 型糖尿病の小児と成人において,オープンソースの AID システムの使用により,センサー付きインスリンポンプを使用した場合と比較して,24 週の時点での血糖値が目標範囲内にあった時間の割合が有意に高くなった.(ニュージーランド保健研究評議会から支援を受けた.Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12620000034932)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 869 - 81. )