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September 15, 2022 Vol. 387 No. 11

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心血管イベントの二次予防におけるポリピル戦略
Polypill Strategy in Secondary Cardiovascular Prevention

J.M. Castellano and Others

背景

心筋梗塞後の心血管死と心血管合併症の二次予防には,良好な転帰に関連する主要な薬剤(アスピリン,アンジオテンシン変換酵素 [ACE] 阻害薬,スタチン)を配合したポリピルが,簡易な方法として提案されている.

方 法

第 3 相無作為化比較臨床試験で,過去 6 ヵ月以内に心筋梗塞を発症した患者を,ポリピルをベースとする戦略を用いる群と,通常治療を行う群に割り付けた.ポリピルによる治療では,アスピリン(100 mg),ラミプリル(ramipril;2.5 mg,5 mg,10 mg のいずれか),アトルバスタチン(20 mg または 40 mg)を使用した.主要転帰は,心血管死,非致死的 1 型心筋梗塞,非致死的脳梗塞,緊急血行再建の複合とした.重要な副次的転帰は,心血管死,非致死的 1 型心筋梗塞,非致死的脳梗塞の複合とした.

結 果

2,499 例が無作為化され,追跡期間の中央値は 36 ヵ月であった.主要転帰イベントは,ポリピル群の 1,237 例中 118 例(9.5%),通常治療群の 1,229 例中 156 例(12.7%)に発生した(ハザード比 0.76,95%信頼区間 [CI] 0.60~0.96,P=0.02).重要な副次的転帰イベントは,ポリピル群の 101 例(8.2%),通常治療群の 144 例(11.7%)に発生した(ハザード比 0.70,95% CI 0.54~0.90,P=0.005).事前に規定したサブグループにおいても,全体的に結果は一貫していた.患者報告による服薬アドヒアランスは,ポリピル群のほうが通常治療群よりも高かった.有害事象は 2 群で同程度であった.

結 論

心筋梗塞発症後 6 ヵ月以内に,アスピリン,ラミプリル,アトルバスタチンを配合したポリピルで治療した患者では,通常治療を行った患者と比較して,主要有害心血管イベントのリスクが有意に低くなった.(欧州連合ホライズン 2020 から研究助成を受けた.SECURE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02596126,EudraCT 登録番号 2015-002868-17)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 967 - 77. )