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May 2, 2024 Vol. 390 No. 17

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大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル治療と外科的治療との比較
Transcatheter or Surgical Treatment of Aortic-Valve Stenosis

S. Blankenberg and Others

背景

有症候性重症大動脈弁狭窄症を有し,手術リスクが低く,経カテーテル大動脈弁移植術(TAVI)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の両方の適応がある患者について,日常臨床での適切な治療戦略に関するデータは不足している.

方 法

ドイツの 38 施設で行われた無作為化非劣性試験で,重症大動脈弁狭窄症を有する,手術低リスクまたは中等度リスクの患者を,TAVI を行う群と SAVR を行う群に割り付けた.TAVI 弁と SAVR 弁は,術者の判断で選択された.主要転帰は,1 年の時点での全死因死亡と,致死的または非致死的脳卒中の複合とした.

結 果

計 1,414 例が無作為化された(TAVI 群 701 例,SAVR 群 713 例).患者の平均(±SD)年齢は 74±4 歳であり,57%が男性で,米国胸部外科学会によるリスク(STS-PROM)スコアの中央値は 1.8%(手術低リスク)であった.1 年の時点での主要転帰の Kaplan–Meier 推定値は,TAVI 群 5.4%,SAVR 群 10.0%であった(死亡または脳卒中のハザード比 0.53,95%信頼区間 [CI] 0.35~0.79,非劣性の P<0.001).全死因死亡率は,TAVI 群 2.6%,SAVR 群 6.2%であり(ハザード比 0.43,95% CI 0.24~0.73),脳卒中の発生率は,それぞれ 2.9%と 4.7%であった(ハザード比 0.61,95% CI 0.35~1.06).処置合併症は,TAVI 群の患者の 1.5%と,SAVR 群の患者の 1.0%に発現した.

結 論

重症大動脈弁狭窄症を有する,手術低リスクまたは中等度リスクの患者において,TAVI は,1 年の時点での全死因死亡または脳卒中に関して,SAVR に対して非劣性を示した.(ドイツ心臓血管研究センター,ドイツ心臓財団から研究助成を受けた.DEDICATE-DZHK6 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03112980)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1572 - 83. )