The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

June 6, 2024 Vol. 390 No. 21

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

ミスマッチ修復機構欠損を有する局所進行結腸癌に対する術前補助免疫療法
Neoadjuvant Immunotherapy in Locally Advanced Mismatch Repair–Deficient Colon Cancer

M. Chalabi and Others

背景

ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)腫瘍は,非転移性結腸癌患者の 10~15%に認められる可能性がある.これらの患者では,化学療法の有効性は限定的である.術前補助免疫療法は有望な結果を示しているが,このアプローチの研究データは限られている.

方 法

第 2 相試験で,治療歴のない非転移性局所進行 dMMR 結腸癌患者に,ニボルマブ+イピリムマブによる術前補助療法を行った.主要エンドポイントは,適時の手術(治療関連毒性事象による予定手術の遅れが 2 週間以内)と定義した安全性と,3 年無病生存の 2 つとした.副次的エンドポイントは,病理学的奏効,ゲノム解析の結果などとした.

結 果

組み入れられた 115 例のうち,113 例(98%,97.5%信頼区間 [CI] 93~100)が適時の手術を受け,2 例は手術が 2 週間超遅れた.グレード 3 または 4 の免疫関連有害事象が発現した患者は 5 例(4%)で,有害事象が原因で投与を中止した患者はいなかった.有効性解析対象 111 例のうち,109 例(98%,95% CI 94~100)で病理学的奏効が得られ,105 例(95%)が病理学的著効(残存生存腫瘍細胞 10%以下と定義),75 例(68%)が病理学的完全奏効(残存生存腫瘍細胞0%)であった.追跡期間中央値 26 ヵ月(範囲 9~65)の時点で,再発は認められなかった.

結 論

局所進行 dMMR 結腸癌患者において,ニボルマブ+イピリムマブによる術前補助療法は,許容可能な安全性プロファイルを示し,高い割合で病理学的奏効をもたらした.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社から研究助成を受けた.NICHE-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03026140)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1949 - 58. )