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March 14, 2024 Vol. 390 No. 11

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大腸癌スクリーニングに用いる血中無細胞 DNA 解析検査
A Cell-free DNA Blood-Based Test for Colorectal Cancer Screening

D.C. Chung and Others

背景

大腸癌は,米国の成人が診断される癌のなかで 3 番目に多い.早期発見により大腸癌関連死の 90%超を予防できる可能性があるが,スクリーニング適格集団の 1/3 超は,多様な検査が利用可能であるにもかかわらず,スクリーニング状況が最適ではない.血液を用いた検査は,スクリーニングアドヒアランスを向上させ,大腸癌をより早期に発見し,大腸癌関連死を減らす可能性がある.

方 法

大腸癌スクリーニングに適格な集団を対象として,血中無細胞 DNA(cfDNA)解析検査の精度を評価した.主要転帰は,大腸癌に対する感度と,進行新生物(大腸癌または進行前癌病変)に対する特異度の 2 つとし,スクリーニング大腸内視鏡検査と比較した.副次的転帰は,進行前癌病変発見の感度とした.

結 果

臨床検証コホートには 10,258 人が組み入れられ,7,861 人が適格基準を満たし,評価しえた.大腸内視鏡検査で大腸癌が発見された参加者は,血中 cfDNA 解析検査では 83.1%が陽性,16.9%が陰性であり,これは,この検査の大腸癌発見の感度が 83.1%(95%信頼区間 [CI] 72.2~90.3)であることを示している.I 期,II 期,III 期の大腸癌に対する感度は 87.5%(95% CI 75.3~94.1),進行前癌病変に対する感度は 13.2%(95% CI 11.3~15.3)であった.大腸内視鏡検査で進行新生物(大腸癌または進行前癌病変)が発見されなかった参加者は,血中 cfDNA 解析検査では 89.6%が陰性,10.4%が陽性であり,これは進行新生物に対する特異度が 89.6%(95% CI 88.8~90.3)であることを示している.大腸内視鏡検査陰性(大腸癌,進行前癌病変,非進行前癌病変なし)に対する特異度は 89.9%(95% CI 89.0~90.7)であった.

結 論

平均的なリスクのスクリーニング集団において,血中 cfDNA 解析検査の大腸癌に対する感度は 83%,進行新生物に対する特異度は 90%,進行前癌病変に対する感度は 13%であった.(ガーダント ヘルス社から研究助成を受けた.ECLIPSE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04136002)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 973 - 83. )