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October 3, 2024 Vol. 391 No. 13

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シスジェンダー女性の HIV 感染予防におけるレナカパビルの年 2 回投与と F/TAF の連日投与との比較
Twice-Yearly Lenacapavir or Daily F/TAF for HIV Prevention in Cisgender Women

L.-G. Bekker and Others

背景

シスジェンダー女性では,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染予防のための曝露前予防薬の使用,アドヒアランス,継続性はいずれも不十分である.

方 法

南アフリカとウガンダの思春期女児・若年女性を対象に,第 3 相二重盲検無作為化比較試験を行った.参加者を,レナカパビルを 26 週ごとに皮下投与し,プラセボを連日経口投与する群,エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(F/TAF)を連日経口投与し,プラセボを 26 週ごとに皮下投与する群,エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF,実薬対照)を連日経口投与し,プラセボを 26 週ごとに皮下投与する群に,2:2:1 の割合で割り付けた.レナカパビルと F/TAF の有効性は,HIV 感染率を,スクリーニングを受けた集団の推定背景感染率と比較することで評価した.F/TDF と比較した相対的有効性も評価した.

結 果

当初 HIV 陰性であった 5,338 例で,新規 HIV 感染は 55 件認められ,内訳はレナカパビル群の 2,134 例で 0 件(0 件/100 人年,95%信頼区間 [CI] 0.00~0.19),F/TAF 群の 2,136 例で 39 件(2.02 件/100 人年,95% CI 1.44~2.76),F/TDF 群の 1,068 例で 16 件(1.69 件/100 人年,95% CI 0.96~2.74)であった.スクリーニングを受けた集団(8,094 例)の HIV 背景感染率は,2.41 件/100 人年(95% CI 1.82~3.19)であった.レナカパビル群の HIV 感染率は,HIV 背景感染率よりも有意に低く(感染率比 0.00,95% CI 0.00~0.04,P<0.001),F/TDF 群の HIV 感染率よりも有意に低かった(感染率比 0.00,95% CI 0.00~0.10,P<0.001).F/TAF 群の HIV 感染率と HIV 背景感染率とのあいだに有意差は認められず(感染率比 0.84,95% CI 0.55~1.28,P=0.21),F/TAF 群と F/TDF 群の HIV 感染率に,意味のある差は認められなかった(感染率比 1.20,95% CI 0.67~2.14).F/TAF,F/TDF の服薬アドヒアランスは低かった.安全性に関する懸念は認められなかった.注射部位反応は,レナカパビル群(68.8%)のほうが,プラセボ注射群(F/TAF 群と F/TDF 群の統合)(34.9%)よりも多かった.レナカパビル群の 4 例(0.2%)が,注射部位反応のために試験レジメンを中止した.

結 論

レナカパビルの年 2 回投与を受けた参加者では,HIV に感染した者はいなかった.レナカパビル群の HIV 感染率は,HIV 背景感染率,F/TDF 群の HIV 感染率よりも有意に低かった.(ギリアド・サイエンシズ社から研究助成を受けた.PURPOSE 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04994509)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 1179 - 92. )