October 17, 2024 Vol. 391 No. 15
限局性前立腺癌に対する体幹部定位放射線治療の第 3 相試験
Phase 3 Trial of Stereotactic Body Radiotherapy in Localized Prostate Cancer
N. van As and Others
限局性前立腺癌患者に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)が,生化学的再発または臨床的再発に関して,従来の分割照射法または中程度寡分割照射法に対して非劣性であるかは不明である.
第 3 相国際共同非盲検無作為化比較試験を行った.病期 T1 または T2 の前立腺癌を有し,グリーソンスコア 3+4 以下,前立腺特異抗原(PSA)値 20 ng/mL 以下の男性を,SBRT(36.25 Gy を 1 週間または 2 週間かけて 5 分割)を施行する群と,対照放射線治療(78 Gy を 7.5 週間かけて 39 分割,または 62 Gy を 4 週間かけて 20 分割)を施行する群に(1:1 の割合で)無作為に割り付けた.アンドロゲン除去療法は許容しなかった.主要評価項目は生化学的再発または臨床的再発がないこととし,非劣性のハザード比の臨界値を 1.45 とした.解析は intention-to-treat 集団を対象に行った.
2012 年 8 月~2018 年 1 月に,38 施設で 874 例(SBRT 群 433 例,対照放射線治療群 441 例)が無作為化された.患者の年齢中央値は 69.8 歳,PSA 中央値は 8.0 ng/mL であり,全米総合がんネットワーク(NCCN)のリスク分類は,8.4%が低リスク,91.6%が中リスクであった.追跡期間中央値 74.0 ヵ月の時点で,生化学的再発または臨床的再発なしの 5 年発生率は,SBRT 群 95.8%(95%信頼区間 [CI] 93.3~97.4),対照放射線治療群 94.6%(95% CI 91.9~96.4)であり(生化学的再発または臨床的再発の未補正ハザード比 0.73,90% CI 0.48~1.12,非劣性の P=0.004),SBRT の非劣性が示された.5 年の時点で,晩期の米国腫瘍放射線治療グループ(RTOG)グレード 2 以上の泌尿生殖器毒性の累積発生率は,SBRT 群 26.9%(95% CI 22.8~31.5),対照放射線治療群 18.3%(95% CI 14.8~22.5)であり(P<0.001),晩期の RTOG グレード 2 以上の消化管毒性の累積発生率は,それぞれ 10.7%(95% CI 8.1~14.2)と 10.2%(95% CI 7.7~13.5)であった(P=0.94).
5 分割の SBRT は,生化学的再発または臨床的再発に関して,対照放射線治療に対して非劣性であり,この試験で定義した低~中リスクの限局性前立腺癌の患者にとって,有効な治療選択肢となる可能性がある.(アキュレイ社ほかから研究助成を受けた.PACE-B 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01584258)