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July 11, 2024 Vol. 391 No. 2

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ニルセビマブと RSV 細気管支炎による入院
Nirsevimab and Hospitalization for RSV Bronchiolitis

Z. Assad and Others

背景

RS ウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)は細気管支炎の主な原因であり,世界で毎年 300 万件の入院をもたらしている.ニルセビマブは,半減期の長い抗 RSV モノクローナル抗体である.ニルセビマブ承認後の,実社会での RSV 関連細気管支炎に対する有効性は明らかでない.

方 法

生後 12 ヵ月未満の乳児を対象とした前向き多施設共同症例対照マッチング試験を行い,RSV 関連細気管支炎による入院に対するニルセビマブ療法の有効性を解析した.2023 年 10 月 15 日~12 月 10 日に RSV 関連細気管支炎で入院した生後 12 ヵ月未満の乳児を症例とした.RSV 感染とは関係のない病態で同じ病院を受診した乳児を対照とした.月齢,病院受診日,試験実施施設に基づき,症例を対照と 2:1 の割合でマッチさせた.RSV 関連細気管支炎による入院に対するニルセビマブ療法の有効率(主要転帰)を,交絡因子を補正した多変量条件付きロジスティック回帰モデルにより算出した.いくつかの感度分析を行った.

結 果

最終解析の対象は 1,035 例で,内訳は症例 690 例(月齢中央値 3.1 ヵ月,四分位範囲 1.8~5.3),マッチした対照 345 例(月齢中央値 3.4 ヵ月,四分位範囲 1.6~5.6)であった.全体で,症例の 60 例(8.7%)と対照の 97 例(28.1%)が,過去にニルセビマブ投与を受けていた.RSV 関連細気管支炎による入院に対するニルセビマブ療法の補正後の有効率は 83.0%(95%信頼区間 [CI] 73.4~89.2)と推定された.感度分析では主要解析と同様の結果が得られた.救命治療にいたった RSV 関連細気管支炎に対するニルセビマブ療法の有効率は 69.6%(95% CI 42.9~83.8)であり(症例 193 例中 27 例 [14.0%] 対 マッチした対照 146 例中 47 例 [32.2%]),換気補助にいたった RSV 関連細気管支炎に対する有効率は 67.2%(95% CI 38.6~82.5)であった(症例 189 例中 27 例 [14.3%] 対 マッチした対照 151 例中 46 例 [30.5%]).

結 論

実社会の状況下で,ニルセビマブ療法は,入院にいたる RSV 関連細気管支炎のリスクの低減に有効であった.(フランス国立エイズ研究機関・新興感染症ほかから研究助成を受けた.ENVIE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT06030505)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 144 - 54. )