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July 11, 2024 Vol. 391 No. 2

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D 型慢性肝炎に対するペグ化インターフェロンと併用するブレビルチド
Bulevirtide Combined with Pegylated Interferon for Chronic Hepatitis D

T. Asselah and Others

背景

ブレビルチド(bulevirtide)の単剤療法は,第 3 相試験で D 型慢性肝炎患者にウイルス学的奏効をもたらした.ガイドラインでは,D 型慢性肝炎にはペグ化インターフェロン(ペグインターフェロン)α-2a の適応外使用が推奨されている.この 2 剤の併用療法の,とくに投与期間に制限を設ける finite treatment としての役割は明らかでない.

方 法

第 2b 相非盲検試験で,患者を,ペグインターフェロンα-2a(180 μg/週)のみを 48 週間投与する群,1 日量 2 mg または 10 mg のブレビルチドとペグインターフェロンα-2a(180 μg/週)を 48 週間投与し,その後同じ 1 日量のブレビルチドを 48 週間投与する群,1 日量 10 mg のブレビルチドのみを 96 週間投与する群に無作為に割り付けた.すべての患者を治療終了後 48 週間追跡した.主要エンドポイントは,治療終了後 24 週の時点で D 型肝炎ウイルス(HDV)RNA が検出限界以下であることとした.ブレビルチド 10 mg+ペグインターフェロンα-2a 群とブレビルチド 10 mg 単剤療法群との比較を主要比較とした.

結 果

24 例がペグインターフェロンα-2a 単剤療法,50 例がブレビルチド 2 mg+ペグインターフェロンα-2a 併用療法,50 例がブレビルチド 10 mg+ペグインターフェロンα-2a 併用療法,50 例がブレビルチド 10 mg 単剤療法を受けた.治療終了後 24 週の時点で HDV RNA が検出限界以下であった患者の割合は,ペグインターフェロンα-2a 群 17%,ブレビルチド 2 mg+ペグインターフェロンα-2a 群 32%,ブレビルチド 10 mg+ペグインターフェロンα-2a 群 46%,ブレビルチド 10 mg 群 12%であった.主要比較の群間差は 34 パーセントポイント(95%信頼区間 15~50,P<0.001)であった.治療終了後 48 週の時点で HDV RNA が検出限界以下であった患者の割合は,ペグインターフェロンα-2a 群 25%,ブレビルチド 2 mg+ペグインターフェロンα-2a 群 26%,ブレビルチド 10 mg+ペグインターフェロンα-2a 群 46%,ブレビルチド 10 mg 群 12%であった.とくに頻度の高かった有害事象は,白血球減少症,好中球減少症,血小板減少症であった.有害事象の大部分はグレード 1 または 2 であった.

結 論

ブレビルチド 10 mg とペグインターフェロンα-2a の併用療法は,治療終了後 24 週の時点で HDV RNA が検出限界以下であることに関して,ブレビルチド単剤療法よりも優れていた.(ギリアド・サイエンシズ社から研究助成を受けた.MYR 204 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03852433)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 133 - 43. )