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October 31, 2024 Vol. 391 No. 17

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重度の変形性股関節症に対する人工股関節全置換術とレジスタンストレーニングとの比較
Total Hip Replacement or Resistance Training for Severe Hip Osteoarthritis

T. Frydendal and Others

背景

重度の変形性股関節症には人工股関節全置換術がルーチンで推奨されるが,この手技の有効性を,レジスタンストレーニングなどの保存的治療の有効性と比較した無作為化試験のデータは少ない.

方 法

重度の変形性股関節症を有し,手術の適応となる 50 歳以上の患者を対象に,人工股関節全置換術とレジスタンストレーニングとを比較する多施設共同無作為化比較試験を行った.主要転帰は,患者報告による股関節の疼痛および機能の,ベースラインから治療開始後 6 ヵ月までの変化とし,オックスフォード股関節スコア(OHS;0~48 で,数値が高いほど疼痛が少なく,機能が良好であることを示す)を用いて評価した.安全性も評価した.

結 果

計 109 例(平均年齢 67.6 歳)が,人工股関節全置換術群(53 例)とレジスタンストレーニング群(56 例)に無作為に割り付けられた.intention-to-treat 解析において,OHS の増加(改善)量の平均は,人工股関節全置換術群 15.9 点,レジスタンストレーニング群 4.5 点であった(差 11.4 点,95%信頼区間 8.9~14.0,P<0.001).6 ヵ月の時点で,人工股関節全置換術群の 5 例(9%)が手術を受けておらず,レジスタンストレーニング群の 12 例(21%)が人工股関節全置換術を受けていた.6 ヵ月の時点での重篤な有害事象の発現率は 2 群で同程度であり,その大部分は人工股関節全置換術の既知の合併症であった.

結 論

重度の変形性股関節症を有し,手術の適応となる 50 歳以上の患者において,人工股関節全置換術は,6 ヵ月の時点での患者報告による股関節の疼痛および機能に,レジスタンストレーニングと比較して,臨床的に重要かつ優れた改善をもたらした.(デンマークリウマチ学会ほかから研究助成を受けた.PROHIP 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04070027)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 1610 - 20. )