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November 14, 2024 Vol. 391 No. 19

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手術可能な膀胱癌に対する周術期デュルバルマブ投与と術前化学療法の併用
Perioperative Durvalumab with Neoadjuvant Chemotherapy in Operable Bladder Cancer

T. Powles and Others

背景

術前化学療法とそれに続く根治的膀胱切除術は,シスプラチン適応の筋層浸潤性膀胱癌患者に対する標準治療である.周術期免疫療法を追加することで,転帰が改善する可能性がある.

方 法

第 3 相非盲検無作為化試験で,シスプラチン適応の筋層浸潤性膀胱癌患者を,術前にデュルバルマブとゲムシタビン+シスプラチンを 3 週ごとに 4 サイクル投与し,その後根治的膀胱切除術を行い,術後にデュルバルマブを 4 週ごとに 8 サイクル投与する群(デュルバルマブ群)と,術前にゲムシタビン+シスプラチンを投与し,その後根治的膀胱切除術のみを行う群(比較群)に,1:1 の割合で割り付けた.主要評価項目は 2 つで,1 つは無イベント生存であった.全生存を重要な副次的評価項目とした.

結 果

533 例がデュルバルマブ群,530 例が比較群に割り付けられた.24 ヵ月無イベント生存率の推定値は,デュルバルマブ群 67.8%(95%信頼区間 [CI] 63.6~71.7),比較群 59.8%(95% CI 55.4~64.0)であった(進行,再発,根治的膀胱切除術の中止,全死因死亡のハザード比 0.68,95% CI 0.56~0.82,層別化 log-rank 検定で P<0.001).24 ヵ月全生存率の推定値は,デュルバルマブ群 82.2%(95% CI 78.7~85.2),比較群 75.2%(95% CI 71.3~78.8)であった(死亡のハザード比 0.75,95% CI 0.59~0.93,層別化 log-rank 検定で P=0.01).グレード 3 または 4 の治療関連有害事象の発現率は,デュルバルマブ群 40.6%,比較群 40.9%であり,死亡にいたった治療関連有害事象の発現率は各群 0.6%であった.根治的膀胱切除術は,デュルバルマブ群の 88.0%と比較群の 83.2%に施行された.

結 論

シスプラチン適応の筋層浸潤性膀胱癌患者に周術期デュルバルマブ投与と術前化学療法を併用した場合,術前化学療法のみを行った場合と比較して,無イベント生存と全生存が有意に改善した.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.NIAGARA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03732677,EudraCT 登録番号 2018-001811-59)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 1773 - 86. )