December 19, 2024 Vol. 391 No. 24
好酸球性重症喘息に対するデペモキマブの年 2 回投与
Twice-Yearly Depemokimab in Severe Asthma with an Eosinophilic Phenotype
D.J. Jackson and Others
デペモキマブ(depemokimab)は,インターロイキン-5 に対する結合親和性を高めた超長時間作用型生物学的製剤であり,6 ヵ月に 1 回の投与間隔で効果が得られる可能性がある.
同一の第 3A 相無作為化プラセボ対照試験を 2 件行い,重症喘息で,中用量または高用量の吸入グルココルチコイド療法にもかかわらず増悪歴があり,好酸球数高値(過去 12 ヵ月間に 300/μL 以上,またはスクリーニング時に 150/μL 以上)を特徴とする好酸球性喘息の患者を対象に,デペモキマブの有効性と安全性を評価した.患者を,デペモキマブ(100 mg 皮下)を投与する群とプラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付け,標準治療に加えて,これらの投与を 0 週と 26 週の時点で行った.主要評価項目は,52 週の時点での増悪の年間発生率とした.副次的評価項目は,52 週の時点でのセントジョージ呼吸器質問票(SGRQ)スコア,1 秒量,喘息症状報告のベースラインからの変化などとし,多重性を補正するため階層的に解析することとした.
2 試験で 792 例が無作為化され,全解析の対象は 762 例で,内訳はデペモキマブ群 502 例,プラセボ群 260 例であった.増悪の年間発生率は,SWIFT-1 試験ではデペモキマブ群 0.46(95%信頼区間 [CI] 0.36~0.58),プラセボ群 1.11(95% CI 0.86~1.43)であり(率比 0.42,95% CI 0.30~0.59,P<0.001),SWIFT-2 試験ではデペモキマブ群 0.56(95% CI 0.44~0.70),プラセボ群 1.08(95% CI 0.83~1.41)であった(率比 0.52,95% CI 0.36~0.73,P<0.001).SGRQ スコアのベースラインからの変化量には,いずれの試験でも群間で有意差は認められなかったため,その後の副次的評価項目に関する統計的推定は行わなかった.有害事象が発現した患者の割合は,両試験とも 2 群で同程度であった.
好酸球性重症喘息患者において,デペモキマブは増悪の年間発生率を低下させた.(GSK 社から研究助成を受けた.SWIFT-1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04719832,SWIFT-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04718103)