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July 4, 2024 Vol. 391 No. 1

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遺伝性血管性浮腫の発作に対するオンデマンド治療に用いる経口セベトラルスタット
Oral Sebetralstat for On-Demand Treatment of Hereditary Angioedema Attacks

M.A. Riedl and Others

背景

遺伝性血管性浮腫の発作に対して承認されているオンデマンド治療は非経口投与するが,この投与経路は治療の遅れや差し控えと関連している.

方 法

第 3 相二重盲検 3 剤クロスオーバー試験で,遺伝性血管性浮腫 1 型または 2 型を有する 12 歳以上の参加者を,血管性浮腫の発作に対して,セベトラルスタット(sebetralstat,300 mg または 600 mg,最大 2 回)またはプラセボを異なる順序で内服する 6 つの群に無作為に割り付けた.主要エンドポイント(生存時間 [time-to-event] 解析で評価)は,症状緩和開始とし,試験薬の 1 回目の内服後 12 時間以内における 2 回以上連続した時点で,変化に関する患者の全般的印象度(PGI-C;評価の範囲は「わるくなった」~「よくなった」)が「少しよくなった」であることと定義した.重要な副次的エンドポイント(生存時間解析で評価)は,1 回目の内服後 12 時間以内における 2 回以上連続した時点で,発作の重症度が低下すること(重症度に関する患者の全般的印象度 [PGI-S] の改善:評価の範囲は「なし」~「きわめて重度」)と,24 時間以内に発作が完全に消失すること(PGI-S 尺度で「なし」)とした.

結 果

136 例が 6 通りの投与順序の 1 つに割り付けられ,110 例が 264 件の発作を治療した.症状緩和開始までの時間は,300 mg と 600 mg がプラセボよりも短く(2 つの比較について,それぞれ P<0.001,P=0.001),時間の中央値はそれぞれ 1.61 時間(四分位範囲 0.78~7.04),1.79 時間(1.02~3.79),6.72 時間(1.34~>12)であった.発作の重症度低下までの時間は,300 mg と 600 mg がプラセボよりも短く(P=0.004 と P=0.003),時間の中央値は 9.27 時間(四分位範囲 1.53~>12),7.75 時間(2.19~>12),12 時間超(6.23~>12)であった.発作の完全消失までの時間は,300 mg と 600 mg がプラセボよりも短かった(P=0.002 と P<0.001).24 時間以内に完全消失した発作の割合は,300 mg で 42.5%,600 mg で 49.5%,プラセボで 27.4%であった.セベトラルスタットとプラセボの安全性プロファイルは同様であり,試験薬に関連した重篤な有害事象は報告されなかった.

結 論

経口セベトラルスタットにより,プラセボと比較して,症状緩和開始までの時間,発作の重症度低下までの時間,発作の完全消失までの時間が短くなった.(カルビスタ ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.KONFIDENT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05259917,EudraCT 登録番号 2021-001226-21)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 32 - 43. )