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August 8, 2024 Vol. 391 No. 6

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成人先天性副腎過形成症に対するクリネセルフォントの第 3 相試験
Phase 3 Trial of Crinecerfont in Adult Congenital Adrenal Hyperplasia

R.J. Auchus and Others

背景

21-水酸化酵素欠損症に起因する古典型先天性副腎過形成症(CAH)患者における副腎不全は,グルココルチコイド補充療法で治療される.副腎由来のアンドロゲン過剰をコントロールするためには,通常,生理的用量の範囲を超えるグルココルチコイド投与が必要であり,グルココルチコイド関連合併症が発症しやすくなる.CAH 患者に経口コルチコトロピン放出因子 1 型受容体拮抗薬であるクリネセルフォント(crinecerfont)を投与した 2 件の第 2 相試験では,アンドロステンジオン値が低下した.

方 法

第 3 相試験で,CAH の成人を,クリネセルフォントを 24 週間投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.グルココルチコイド投与は,アンドロステンジオン値を評価するために 4 週間は一定用量で維持し,その後 20 週間かけて用量を減らし,アンドロステンジオンのコントロール(ベースライン値の 120%以下または基準範囲内)を維持する最低用量を達成するように最適化した.主要有効性エンドポイントは,アンドロステンジオンのコントロールが維持された状態での,グルココルチコイド 1 日量のベースラインから 24 週目までの変化(%)とした.

結 果

24 週の時点の解析は,無作為化された 182 例(クリネセルフォント群 122 例,プラセボ群 60 例)全例を対象とし,欠測値を補完した.24 週の時点で,176 例(97%)が試験を継続していた.ベースライン時のグルココルチコイド用量の平均は,ヒドロコルチゾン当量で 17.6 mg/m2 体表面積/日であり,アンドロステンジオン値の平均は 620 ng/dL と高値であった.24 週の時点での(アンドロステンジオンのコントロールを伴う)グルココルチコイド用量の変化(%)は,クリネセルフォント群 -27.3%,プラセボ群 -10.3%であった(最小二乗平均差 -17.0 パーセントポイント,P<0.001).アンドロステンジオンのコントロールが維持された状態で,生理的用量の範囲内でのグルココルチコイド投与が報告された患者の割合は,クリネセルフォント群 63%,プラセボ群 18%であった(P<0.001).4 週の時点で,クリネセルフォント群ではアンドロステンジオン値が低下したが(-299 ng/dL),プラセボ群では上昇した(45.5 ng/dL)(最小二乗平均差 -345 ng/dL,P<0.001).2 群でとくに頻度の高かった有害事象は,倦怠感と頭痛であった.

結 論

CAH 患者において,副腎アンドロゲン値の評価後にクリネセルフォントを使用した場合,プラセボを使用した場合と比較して,グルココルチコイド 1 日量の平均のベースラインからの減少が大きく,生理的用量の範囲内に減少した.(ニューロクライン バイオサイエンシズ社から研究助成を受けた.CAHtalyst 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04490915)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 504 - 14. )