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August 15, 2024 Vol. 391 No. 7

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III 期 EGFR 変異陽性非小細胞肺癌に対する化学放射線療法後のオシメルチニブ
Osimertinib after Chemoradiotherapy in Stage III EGFR-Mutated NSCLC

S. Lu and Others

背景

オシメルチニブは,上皮成長因子受容体(EGFR)変異を有する進行非小細胞肺癌(NSCLC)の治療薬として推奨されており,切除された EGFR 変異陽性 NSCLC の術後補助療法としても推奨されている.切除不能 III 期 EGFR 変異陽性 NSCLC に対する EGFR チロシンキナーゼ阻害薬の有効性が,予備試験で示されている.

方 法

第 3 相二重盲検プラセボ対照試験で,切除不能 III 期 EGFR 変異陽性 NSCLC を有し,化学放射線療法の施行中または施行後に病勢進行が認められなかった患者を,オシメルチニブを投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付け,病勢進行(独立中央判定委員会が盲検下で評価)が認められるか,試験レジメンが中止されるまで投与した.主要エンドポイントは無増悪生存とし,独立中央判定委員会が盲検下で評価した.

結 果

化学放射線療法を受けた患者計 216 例を,オシメルチニブ群(143 例)とプラセボ群(73 例)に無作為に割り付けた.オシメルチニブは,プラセボと比較して,無増悪生存に有意な利益をもたらし,無増悪生存期間の中央値はオシメルチニブ群 39.1 ヵ月に対し,プラセボ群 5.6 ヵ月であり,病勢進行または死亡のハザード比は 0.16(95%信頼区間 [CI] 0.10~0.24,P<0.001)であった.12 ヵ月無増悪生存率はオシメルチニブ群 74%(95% CI 65~80),プラセボ群 22%(95% CI 13~32)であった.全生存の中間データ(成熟度 20%)から,36 ヵ月全生存率はオシメルチニブ群 84%(95% CI 75~89),プラセボ群 74%(95% CI 57~85)であり,死亡のハザード比は 0.81(95% CI 0.42~1.56,P=0.53)であることが示された.グレード 3 以上の有害事象の発現率は,オシメルチニブ群 35%,プラセボ群 12%であり,放射線肺臓炎(大部分がグレード 1 または 2)は,それぞれ 48%と 38%で報告された.新たな安全性の懸念は認められなかった.

結 論

切除不能 III 期 EGFR 変異陽性 NSCLC 患者において,オシメルチニブを投与した場合,プラセボを投与した場合よりも無増悪生存期間が有意に長かった.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.LAURA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03521154)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 585 - 97. )