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September 5, 2024 Vol. 391 No. 9

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平滑筋肉腫に対するドキソルビシン+トラベクテジン併用療法とトラベクテジン維持療法
Doxorubicin–Trabectedin with Trabectedin Maintenance in Leiomyosarcoma

P. Pautier and Others

背景

進行平滑筋肉腫患者に対する一次治療として,ドキソルビシンにトラベクテジンを追加し,その後トラベクテジン維持療法を行った場合,ドキソルビシン単独療法よりも高い有効性が得られる可能性がある.

方 法

化学療法歴のない転移性または切除不能な平滑筋肉腫患者を対象として第 3 相試験を行った.患者を,ドキソルビシンの単独投与を 6 サイクル行う群と,ドキソルビシンとトラベクテジンの併用投与を 6 サイクル行う群に無作為に割り付け,ドキソルビシン+トラベクテジン群で病勢進行が認められなかった患者には,維持療法としてトラベクテジンの投与を継続した.いずれの群も,6 サイクル投与後は残存病変を切除する手術を可とした.無増悪生存(主要エンドポイント)と全生存(副次的エンドポイント)を,腫瘍発生部位(子宮 対 軟部組織)と病期(局所進行 対 転移性)の 2 つの層別化因子を補正して解析した.主要エンドポイントの結果はすでに報告している.

結 果

150 例が無作為化された.追跡期間中央値 55 ヵ月(四分位範囲 49~63)の時点で,107 例(ドキソルビシン+トラベクテジン群 47 例,ドキソルビシン群 60 例)が死亡していた.全生存期間の中央値は,ドキソルビシン+トラベクテジン群(33 ヵ月,95%信頼区間 [CI] 26~48)のほうがドキソルビシン群(24 ヵ月,95% CI 19~31)よりも長く,死亡の補正ハザード比は 0.65(95% CI 0.44~0.95)であった.既報と一致する知見として,無増悪生存期間はドキソルビシン+トラベクテジン群(12 ヵ月,95% CI 10~16)のほうがドキソルビシン群(6 ヵ月,95% CI 4~7)よりも長く,進行または死亡の補正ハザード比は 0.37(95% CI 0.26~0.53)であった.有害事象の発現率と,薬剤減量にいたった患者の割合は,ドキソルビシン+トラベクテジン群のほうがドキソルビシン単独群よりも高かった.

結 論

転移性または外科的に切除不能な子宮/軟部組織の平滑筋肉腫患者において,ドキソルビシン+トラベクテジン併用導入療法と,その後のトラベクテジン維持療法は,ドキソルビシン単独療法と比較して,全生存と無増悪生存の延長と関連した.(ファーマ・マー社ほかから研究助成を受けた.LMS04 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02997358)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 789 - 99. )