The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 4, 2024 Vol. 391 No. 1

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

侵襲的人工呼吸管理中のストレス潰瘍予防
Stress Ulcer Prophylaxis during Invasive Mechanical Ventilation

D. Cook and Others

背景

侵襲的換気を受けている重症患者では,ストレス潰瘍の予防に投与するプロトンポンプ阻害薬が有益であるか有害であるかは明らかでない.

方 法

国際共同無作為化試験で,侵襲的換気を受けている重症成人を,パントプラゾール(pantoprazole,40 mg/日)を静脈内投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に割り付けた.主要有効性転帰は,90 日の時点での集中治療室(ICU)における臨床的に重要な上部消化管出血とし,主要安全性転帰は,90 日の時点での全死因死亡とした.副次的転帰は,人工呼吸器関連肺炎,Clostridioides difficile 感染,患者にとって重要な出血などとし,多重性を補正した.

結 果

68 ヵ所の ICU で 4,821 例が無作為化された.臨床的に重要な上部消化管出血は,パントプラゾールの投与を受けた 2,385 例中 25 例(1.0%)に発生し,プラセボの投与を受けた 2,377 例中 84 例(3.5%)に発生した(ハザード比 0.30,95%信頼区間 [CI] 0.19~0.47,P<0.001).90 日の時点での死亡は,パントプラゾール群では 2,390 例中 696 例(29.1%)で報告され,プラセボ群では 2,379 例中 734 例(30.9%)で報告された(ハザード比 0.94,95% CI 0.85~1.04,P=0.25).副次的転帰については,患者にとって重要な出血の頻度はパントプラゾール群のほうが低かったが,それ以外は 2 群で同程度であった.

結 論

侵襲的換気を受けている患者において,パントプラゾールにより,プラセボと比較して臨床的に重要な上部消化管出血のリスクが有意に低くなったが,死亡に対する有意な影響は認められなかった.(カナダ健康研究所ほかから研究助成を受けた.REVISE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03374800)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 9 - 20. )