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September 12, 2024 Vol. 391 No. 10

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混合型高脂血症に対するアンジオポエチン様因子 3 を標的とする RNA 干渉治療薬ゾダシラン
Zodasiran, an RNAi Therapeutic Targeting ANGPTL3, for Mixed Hyperlipidemia

R.S. Rosenson and Others

背景

アンジオポエチン様因子 3(ANGPTL3)は,リポ蛋白リパーゼと内皮リパーゼを阻害し,トリグリセリドに富むリポ蛋白レムナントの肝臓での取込みを阻害する.ANGPTL3 機能喪失型変異の保有者は,非保有者と比較して,トリグリセリド値,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値,高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値,non-HDL コレステロール値が低く,アテローム動脈硬化性心血管疾患のリスクが低い.ゾダシラン(zodasiran)は,肝臓における ANGPTL3 発現を標的とする RNA 干渉(RNAi)療法である.

方 法

混合型高脂血症(空腹時トリグリセリド値が 150~499 mg/dL であり,LDL コレステロール値が 70 mg/dL 以上であるか non-HDL コレステロール値が 100 mg/dL 以上)の成人を対象に,ゾダシランの安全性と有効性を評価する二重盲検プラセボ対照用量設定第 2b 相試験を行った.適格患者を,1 日目と 12 週目にゾダシラン(50 mg,100 mg,200 mg のいずれか)の皮下注射を行う群と,プラセボを投与する群に 3:1 の割合で無作為に割り付け,36 週目まで追跡した.主要評価項目は,トリグリセリド値のベースラインから 24 週目までの変化量(%)とした.

結 果

204 例が無作為化された.24 週目に,ゾダシラン群では ANGPTL3 濃度にベースラインからの大幅かつ用量依存的な平均値の低下が認められ(ベースラインからの変化量のプラセボ群との差は 50 mg 群 -54 パーセントポイント,100 mg 群 -70 パーセントポイント,200 mg 群 -74 パーセントポイント),トリグリセリド値にもベースラインからの有意かつ用量依存的な低下が認められた(ベースラインからの変化量のプラセボ群との差はそれぞれ -51 パーセントポイント,-57 パーセントポイント,-63 パーセントポイント;すべての比較で P<0.001).その他の評価項目におけるベースラインからの変化量のプラセボ群との差は,non-HDL コレステロール値が 50 mg 群で -29 パーセントポイント,100 mg 群で -29 パーセントポイント,200 mg 群で -36 パーセントポイントであり,アポリポ蛋白 B 値がそれぞれ -19 パーセントポイント,-15 パーセントポイント,-22 パーセントポイントであり,LDL コレステロール値がそれぞれ -16 パーセントポイント,-14 パーセントポイント,-20 パーセントポイントであった.糖尿病を有し,最大用量のゾダシラン投与を受けた患者に,糖化ヘモグロビンの一過性の上昇が認められた.

結 論

混合型高脂血症患者において,ゾダシラン投与は 24 週目におけるトリグリセリド値の有意な低下と関連した.(アローヘッド ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.ARCHES-2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04832971)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 913 - 25. )