January 2, 2025 Vol. 392 No. 1
進行悪性黒色腫に対するニボルマブとイピリムマブの併用の最終結果としての 10 年転帰
Final, 10-Year Outcomes with Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Melanoma
J.D. Wolchok and Others
この試験ではこれまでに,進行悪性黒色腫患者のニボルマブ+イピリムマブ併用療法後,またはニボルマブ単剤療法後の全生存期間は,イピリムマブ単剤療法後よりも長いことを示している.進行悪性黒色腫患者は 7.5 年以上生存することを考えれば,新たに発生する臨床的に重要な問題に取り組むために,より長期のデータが必要である.
未治療の進行悪性黒色腫患者を,ニボルマブ(1 mg/kg 体重)+イピリムマブ(3 mg/kg)を 3 週ごとに 4 回投与したあと,ニボルマブ(3 mg/kg)を 2 週ごとに投与するレジメン,ニボルマブ(3 mg/kg を 2 週ごと)+プラセボを投与するレジメン,イピリムマブ(3 mg/kg を 3 週ごとに 4 回)+プラセボを投与するレジメンに,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.病勢進行,許容できない毒性の発現,または同意撤回まで投与を継続した.無作為化は,BRAF 変異状態,転移のステージ,プログラム細胞死リガンド 1(PD-L1)の発現率で層別化して行った.今回は,この試験の最終結果として,10 年間の全生存,悪性黒色腫特異的生存,効果の持続性などの結果を報告する.
最小追跡期間 10 年で,全生存期間の中央値は,ニボルマブ+イピリムマブ群 71.9 ヵ月,ニボルマブ群 36.9 ヵ月,イピリムマブ群 19.9 ヵ月であった.イピリムマブ単剤との比較において,ニボルマブ+イピリムマブの死亡のハザード比は 0.53(95%信頼区間 [CI] 0.44~0.65)であり,ニボルマブ単剤の死亡のハザード比は 0.63(95% CI 0.52~0.76)であった.悪性黒色腫特異的生存期間の中央値は,ニボルマブ+イピリムマブ群 120 ヵ月超(未到達,試験終了時に患者の 37%が生存),ニボルマブ群 49.4 ヵ月,イピリムマブ群 21.9 ヵ月であった.3 年の時点で増悪なく生存していた患者の 10 年悪性黒色腫特異的生存率は,ニボルマブ+イピリムマブ群 96%,ニボルマブ群 97%,イピリムマブ群 88%であった.
この試験の最終結果から,進行悪性黒色腫患者において,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法,およびニボルマブ単剤療法によって得られていた生存への利益は,イピリムマブ単剤療法と比較して持続することが示された.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ほかから研究助成を受けた.CheckMate 067 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01844505)