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January 2, 2025 Vol. 392 No. 1

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心房細動患者に対するアスンデキシアンとアピキサバンとの比較
Asundexian versus Apixaban in Patients with Atrial Fibrillation

J.P. Piccini and Others

背景

心房細動患者では,脳卒中予防に直接作用型経口抗凝固薬を用いると出血のリスクを伴うため,使用は制限される.活性型第 XI 因子(XIa)阻害薬アスンデキシアン(asundexian)は,より低い出血頻度で脳卒中を予防できる可能性のある経口抗凝固薬である.

方 法

第 3 相国際共同二重盲検試験を行い,高リスクの心房細動患者を,アスンデキシアン 50 mg を 1 日 1 回投与する群と,アピキサバンを標準用量で 1 日 2 回投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.有効性の主要目的は,アスンデキシアンが,脳卒中または全身性塞栓症の予防に関して,アピキサバンに対して少なくとも非劣性であるかを明らかにすることであった.安全性の主要目的は,アスンデキシアンが,大出血イベントに関して,アピキサバンに対して優越性であるかを明らかにすることであった.

結 果

無作為化された患者のうち,14,810 例を intention-to-treat 集団とした.平均(±SD)年齢は 73.9±7.7 歳で,35.2%が女性であり,18.6%が慢性腎臓病を有し,18.2%が脳卒中または一過性脳虚血発作の既往を有し,16.8%に 6 週間以下の経口抗凝固薬投与歴があり,平均 CHA2DS2-VASc スコア(0~9 で,値が高いほど脳卒中のリスクが高いことを示す)は 4.3±1.3 であった.独立データ安全性モニタリング委員会の勧告に基づき,試験は早期に中止された.脳卒中または全身性塞栓症は,アスンデキシアン群に割り付けられた 98 例(1.3%)と,アピキサバン群に割り付けられた 26 例(0.4%)に発生した(ハザード比 3.79,95%信頼区間 [CI] 2.46~5.83).大出血は,アスンデキシアンの投与を受けた 17 例(0.2%)と,アピキサバンの投与を受けた 53 例(0.7%)に発生した(ハザード比 0.32,95% CI 0.18~0.55).有害事象の発現率は 2 群で同程度と思われた.

結 論

脳卒中リスクを有する心房細動患者のうち,試験が早期中止となる前にアスンデキシアン 50 mg の 1 日 1 回投与を受けた患者は,脳卒中または全身性塞栓症の発生率が,アピキサバンの投与を受けた患者よりも高かった.この期間中の大出血イベントは,アスンデキシアンのほうがアピキサバンよりも少なかった.(バイエル社から研究助成を受けた.OCEANIC-AF 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05643573,EudraCT 登録番号 2022-000758-28)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 23 - 32. )