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April 10, 2025 Vol. 392 No. 14

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癌関連静脈血栓塞栓症に対するアピキサバンの減量延長投与
Extended Reduced-Dose Apixaban for Cancer-Associated Venous Thromboembolism

I. Mahé and Others

背景

活動性の癌を有し,静脈血栓塞栓症を発症した患者において,経口抗凝固薬の減量延長投与が,血栓塞栓イベントの再発予防と出血の抑制に有効であるかは明らかでない.

方 法

無作為化二重盲検非劣性試験を行った.転帰は盲検下中央判定により評価した.6 ヵ月以上の抗凝固療法を完了した,活動性の癌と近位型深部静脈血栓症または肺塞栓症を有する連続症例を,経口アピキサバンを減量して(2.5 mg)投与する群と,全量(5.0 mg)を投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,1 日 2 回,12 ヵ月間投与した.主要転帰は,中央判定に基づく致死的または非致死的静脈血栓塞栓症の再発とし,非劣性解析(サブハザード比の 95%信頼区間上限 2.00 をマージンとする)で評価した.臨床的に重要な出血を重要な副次的転帰とし,優越性解析で評価した.

結 果

1,766 例が,指標イベント後中央値 8.0 ヵ月(四分位範囲 6.5~12.6)の時点で無作為化され,866 例が減量群,900 例が全量群に割り付けられた.投与期間の中央値は 11.8 ヵ月(四分位範囲 8.3~12.1)であった.静脈血栓塞栓症の再発は,減量群では 18 例(累積発生率 2.1%),全量群では 24 例(累積発生率 2.8%)に発生した(補正サブハザード比 0.76,95%信頼区間 [CI] 0.41~1.41,非劣性の P=0.001).臨床的に重要な出血は,減量群では 102 例(累積発生率 12.1%),全量群では 136 例(累積発生率 15.6%)に発生した(補正サブハザード比 0.75,95% CI 0.58~0.97,P=0.03).死亡率は減量群 17.7%,全量群 19.6%であった(補正ハザード比 0.96,95% CI 0.86~1.06).

結 論

活動性癌を有する患者の静脈血栓塞栓症の再発予防において,減量アピキサバンによる延長抗凝固療法は,全量アピキサバンに対して非劣性であった.減量投与では,臨床的に重要な出血性合併症の発生率が全量投与よりも低くなった.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ–ファイザーアライアンスから研究助成を受けた.API-CAT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03692065)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1363 - 73. )