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April 17, 2025 Vol. 392 No. 15

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活動型ループス腎炎に対するオビヌツズマブの有効性と安全性
Efficacy and Safety of Obinutuzumab in Active Lupus Nephritis

R.A. Furie and Others

背景

ヒト化タイプ II 抗 CD20 モノクローナル抗体であるオビヌツズマブは,標準治療を受けているループス腎炎患者を対象とした第 2 相試験で,プラセボよりも有意に良好な腎奏効を示した.

方 法

第 3 相無作為化比較試験を行い,活動型ループス腎炎の診断が生検で確定した成人を,オビヌツズマブを 2 通りの投与スケジュール(1,000 mg を 1 日目と 2,24,26,52 週目に投与,または 1,000 mg を 1 日目と 2,24,26,50,52 週目に投与)のいずれかで投与する群と,プラセボを投与する群に 1:1 の割合で割り付けた.全例にミコフェノール酸モフェチルとプレドニゾン(prednisone)による標準治療を行った.プレドニゾンは,12 週目までに 7.5 mg/日,24 週目までに 5 mg/日を目標投与量として経口投与した.主要評価項目は 76 週の時点での完全腎奏効とし,尿蛋白/クレアチニン比(mg/mg クレアチニン)0.5 未満,推算糸球体濾過量(eGFR)がベースライン値の 85%以上,中間事象(すなわち,レスキュー治療,治療失敗,死亡,試験からの早期脱落)が発生していない,と定義した.76 週の時点で完全腎奏効が得られており 64~76 週目のプレドニゾン投与量が 7.5 mg/日以下,尿蛋白/クレアチニン比が 0.8 未満であり中間事象が発生していない,などを重要な副次的評価項目とした.

結 果

271 例が無作為化され,(2 つの投与スケジュールを合わせて)135 例がオビヌツズマブ群,136 例がプラセボ群に割り付けられた.76 週の時点で完全腎奏効が得られた患者の割合は,オビヌツズマブ群 46.4%,プラセボ群 33.1%であった(補正後の差 13.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 2.0~24.8,P=0.02).76 週の時点で完全腎奏効が得られており 64~76 週目のプレドニゾン投与量が 7.5 mg/日以下であった患者は,オビヌツズマブ群のほうがプラセボ群よりも多く(42.7% 対 30.9%,補正後の差 11.9 パーセントポイント,95% CI 0.6~23.2,P=0.04),尿蛋白/クレアチニン比が 0.8 未満であり中間事象が発生していない患者の割合は,オビヌツズマブ群のほうがプラセボ群よりも高かった(55.5% 対 41.9%,補正後の差 13.7 パーセントポイント,95% CI 2.0~25.4,P=0.02).予期しない安全性シグナルは確認されなかった.重篤な有害事象は主に感染症であり,新型コロナウイルス感染症関連事象が含まれ,発現数はオビヌツズマブ群のほうがプラセボ群よりも多かった.

結 論

活動型ループス腎炎の成人において,オビヌツズマブと標準治療の併用は,標準治療単独と比較して,完全腎奏効の達成に有効であった.(エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社から研究助成を受けた.REGENCY 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04221477)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 1471 - 83. )