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June 5, 2025 Vol. 392 No. 21

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出生転帰の改善を目的とした妊娠中のトリメトプリム・スルファメトキサゾールの試験
A Trial of Trimethoprim–Sulfamethoxazole in Pregnancy to Improve Birth Outcomes

B. Chasekwa and Others

背景

有害な出生転帰のなかには,母体感染が背景にあるものがある.妊娠中のトリメトプリム・スルファメトキサゾールの予防投与が,出生転帰を改善するかはわかっていない.

方 法

ジンバブエで行われた二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,妊娠女性を,妊娠 14 週以降から出産まで,トリメトプリム・スルファメトキサゾール 960 mg/日を投与する群と,プラセボを投与する群に割り付けた.主要転帰は出生体重とした.

結 果

993 例(131 例はヒト免疫不全ウイルス [HIV] に感染)のうち,498 例がプラセボの投与を受ける群,495 例がトリメトプリム・スルファメトキサゾールの投与を受ける群に無作為に割り付けられた.初回投与は,中央値で妊娠 21.7 週(四分位範囲 17.3~26.4)に行われた.intention-to-treat 解析で,出生体重の平均(±SD)は,トリメトプリム・スルファメトキサゾール群で 3,040±460 g,プラセボ群で 3,019±526 g であった(平均差 20 g,95%信頼区間 -43~83,P=0.53).有害事象の発現数は 2 群で同程度であった.

結 論

ジンバブエにおいて,妊娠中のトリメトプリム・スルファメトキサゾールの予防投与は,児の出生体重を有意に増加させなかった.(英国医学研究評議会の研究助成金 Wellcome ほかから研究助成を受けた.Pan African Clinical Trials Registry 番号 PACTR202107707978619)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 2125 - 34. )