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January 16, 2025 Vol. 392 No. 3

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残存する HER2 陽性乳癌に対するトラスツズマブエムタンシン投与による生存
Survival with Trastuzumab Emtansine in Residual HER2-Positive Breast Cancer

C.E. Geyer, Jr., and Others

背景

ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)陽性早期乳癌に対する術前全身療法後に浸潤癌が残存する患者は,再発および死亡のリスクが高い.第 3 相非盲検試験である KATHERINE 試験の主要解析では,浸潤癌または死亡のリスクは,術後にトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)を投与した場合,トラスツズマブのみを投与した場合よりも 50%低かった.

方 法

HER2 陽性早期乳癌を有し,タキサン系ベースの化学療法とトラスツズマブによる術前全身療法後に,乳房または腋窩に浸潤癌が残存する患者を,T-DM1 療法を 14 サイクル行う群と,トラスツズマブ療法を 14 サイクル行う群に無作為に割り付けた.今回は,事前に規定した無浸潤疾患生存に関する最終解析と,全生存に関する 2 回目の中間解析の結果を報告する.

結 果

追跡期間中央値 8.4 年の時点で,T-DM1 の,トラスツズマブを上回る無浸潤疾患生存期間の延長効果は持続していた(浸潤癌または死亡の非層別ハザード比 0.54,95%信頼区間 [CI] 0.44~0.66).7 年無浸潤疾患生存率は T-DM1 群 80.8%,トラスツズマブ群 67.1%(差 13.7 パーセンントポイント)であり,死亡リスクも,T-DM1 群のほうがトラスツズマブ群よりも有意に低かった(非層別ハザード比 0.66,95% CI 0.51~0.87,P=0.003).7 年全生存率は T-DM1 群 89.1%,トラスツズマブ群 84.4%であった(差 4.7 パーセンントポイント).グレード 3 以上の有害事象は,T-DM1 群の 26.1%,トラスツズマブ群の 15.7%に認められた.

結 論

HER2 陽性早期乳癌に対する術前療法後に浸潤癌が残存する患者のうち,T-DM1 を投与した患者では,トラスツズマブのみを投与した患者と比較して,全生存期間が延長し,無浸潤疾患生存期間の延長効果が持続していた.(エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社/ジェネンテック社から研究助成を受けた.KATHERINE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01772472)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 249 - 57. )