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January 16, 2025 Vol. 392 No. 3

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50~60 歳の女性に対するゾレドロン酸の低頻度投与による骨折予防
Fracture Prevention with Infrequent Zoledronate in Women 50 to 60 Years of Age

M.J. Bolland and Others

背景

ゾレドロン酸は,12~18 ヵ月ごとの投与で高齢女性の骨折を予防するが,骨密度および骨代謝に対する効果は 5 年を超えて持続する.ゾレドロン酸の低頻度投与が,閉経後早期の女性の椎体骨折を予防するかは明らかでない.

方 法

閉経後早期の女性(50~60 歳)で,腰椎,大腿骨頸部,大腿骨近位部のいずれかの骨密度の T スコアが 0 未満,-2.5 超(通常は -1 以上で骨密度正常とされる)の人を対象に,10 年間の前向き二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.参加者を,ゾレドロン酸 5 mg をベースライン時と 5 年の時点で点滴静脈内投与する群(ゾレドロン酸–ゾレドロン酸群),ゾレドロン酸 5 mg をベースライン時に,プラセボを 5 年の時点で投与する群(ゾレドロン酸–プラセボ群),プラセボをベースライン時と 5 年の両時点で投与する群(プラセボ–プラセボ群)に無作為に割り付けた.ベースライン,5 年,10 年の時点で脊椎 X 線撮影を行った.主要評価項目は形態椎体骨折とし,半定量的評価法による判定で,X 線画像上の椎体高がベースライン時から 20%以上変化していることと定義した.副次的評価項目は,脆弱性骨折,全骨折,主要骨粗鬆症性骨折とした.

結 果

1,054 例が無作為化され,ベースライン時の平均年齢は 56.0 歳であった.1,003 例(95.2%)が 10 年間の追跡調査を完了した.新規の形態骨折は,ゾレドロン酸–ゾレドロン酸群では 22 例(6.3%),ゾレドロン酸–プラセボ群では 23 例(6.6%),プラセボ–プラセボ群では 39 例(11.1%)に発生した(相対リスク:ゾレドロン酸–ゾレドロン酸群 対 プラセボ–プラセボ群 0.56 [95% 信頼区間 {CI} 0.34~0.92,P=0.04],ゾレドロン酸–プラセボ群 対 プラセボ–プラセボ群 0.59 [95% CI 0.36~0.97,P=0.08]).脆弱性骨折,全骨折,主要骨粗鬆症性骨折について,ゾレドロン酸–ゾレドロン酸群のプラセボ–プラセボ群に対する相対リスクはそれぞれ 0.72(95% CI 0.55~0.93),0.70(95% CI 0.56~0.88),0.60(95% CI 0.42~0.86)であり,ゾレドロン酸–プラセボ群のプラセボ–プラセボ群に対する相対リスクはそれぞれ 0.79(95% CI 0.61~1.02),0.77(95% CI 0.62~0.97),0.71(95% CI 0.51~0.99)であった.

結 論

試験開始後 10 年の時点で,閉経後早期の女性に対するゾレドロン酸のベースライン時と 5 年の時点での投与は,形態椎体骨折の予防に有効であった.(ニュージーランド保健研究評議会から研究助成を受けた.Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12612000270819)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 239 - 48. )