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January 23, 2025 Vol. 392 No. 4

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心房細動患者に対するアベラシマブとリバーロキサバンとの比較
Abelacimab versus Rivaroxaban in Patients with Atrial Fibrillation

C.T. Ruff and Others

背景

アベラシマブ(abelacimab)は,不活性型の第 XI 因子に結合し,その活性化を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体である.心房細動患者における,直接経口抗凝固薬と比較したアベラシマブの安全性は明らかにされていない.

方 法

心房細動を有し,脳卒中リスクが中~高の患者を,盲検下でアベラシマブ(150 mg 月 1 回または 90 mg 月 1 回)を皮下投与する群と,非盲検下でリバーロキサバン(20 mg 1 日 1 回)を経口投与する群に,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,大出血または臨床的に重要な非大出血の複合とした.

結 果

1,287 例が無作為化され,年齢中央値は 74 歳で,44%が女性であった.3 ヵ月の時点で,遊離型第 XI 因子濃度の低下率の中央値は,アベラシマブ 150 mg で 99%(四分位範囲 98~99),90 mg で 97%(四分位範囲 51~99)であった.アベラシマブによる出血イベントの減少が予測を上回ったため,独立データ安全性モニタリング委員会の勧告に基づき,試験は早期に中止された.大出血または臨床的に重要な非大出血の発生率は,アベラシマブ 150 mg で 3.2 件/100 人年,90 mg で 2.6 件/100 人年であったのに対し,リバーロキサバンでは 8.4 件/100 人年であった(リバーロキサバンに対するアベラシマブ 150 mg のハザード比 0.38 [95%信頼区間 {CI} 0.24~0.60],リバーロキサバンに対するアベラシマブ 90 mg のハザード比 0.31 [95% CI 0.19~0.51],両比較について P<0.001).有害事象の発現率と重症度は,3 群で同程度と思われた.

結 論

脳卒中リスクが中~高の心房細動患者のうち,アベラシマブを投与した患者では,リバーロキサバンを投与した患者よりも遊離型第 XI 因子濃度が著しく低くなり,出血イベントが少なくなった.(アンソス セラピューティクス社から研究助成を受けた.AZALEA–TIMI 71 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04755283)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 361 - 71. )