January 2, 2025 Vol. 392 No. 1
筋層浸潤性尿路上皮癌に対するペムブロリズマブによる術後補助療法と経過観察との比較
Adjuvant Pembrolizumab versus Observation in Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma
A.B. Apolo and Others
筋層浸潤性尿路上皮癌は,悪性度が高く,再発率の高い腫瘍である.高リスク筋層浸潤性尿路上皮癌根治手術後の患者において,術後補助療法としてのペムブロリズマブが有効かどうかは明らかでない.
第 3 相試験で,患者を,ペムブロリズマブ 200 mg を 3 週ごとに 1 年間投与する群と,経過観察を行う群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.無作為化は,病理学的病期,中央で検査したプログラム細胞死リガンド 1(PD-L1)の状態,術前補助化学療法歴で層別化して行った.intention-to-treat 集団における無病生存と全生存の 2 つを主要評価項目とした.ペムブロリズマブ群の無病生存期間または全生存期間のいずれかが経過観察群よりも有意に長い場合に,試験は成功とみなすこととした.
702 例が無作為化され,354 例がペムブロリズマブ群,348 例が経過観察群に割り付けられた.2024 年 7 月 5 日の時点で,無病生存の追跡期間中央値は 44.8 ヵ月であった.無病生存期間の中央値はペムブロリズマブ群 29.6 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 20.0~40.7),経過観察群 14.2 ヵ月(95% CI 11.0~20.2)であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.73,95% CI 0.59~0.90,両側 P=0.003).グレード 3 以上の有害事象(原因を問わない)は,ペムブロリズマブ群の 50.6%と経過観察群の 31.6%に発現した.
高リスク筋層浸潤性尿路上皮癌根治手術後の患者のうち,ペムブロリズマブによる術後補助療法を行った患者では,経過観察を行った患者よりも無病生存期間が有意に長かった.(米国国立衛生研究所 米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.Alliance A031501 AMBASSADOR 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03244384)