January 30, 2025 Vol. 392 No. 5
リファンピン耐性フルオロキノロン感受性結核に対する経口レジメン
Oral Regimens for Rifampin-Resistant, Fluoroquinolone Susceptible Tuberculosis
L. Guglielmetti and Others
リファンピン(rifampin)耐性結核患者の治療は,何十年ものあいだ,治療選択肢が乏しく,エビデンスの質が低いことにより難渋することが多かった.新規結核治療薬の出現と研究費の増加によって,リファンピン耐性結核に対する,より短期の,全経口レジメンの無作為化比較試験が可能になった.
第 3 相国際共同非盲検無作為化比較非劣性試験を行い,フルオロキノロン感受性リファンピン耐性結核に対する標準治療と,ベダキリン(B),デラマニド(D),リネゾリド(L),レボフロキサシン(Lfx)またはモキシフロキサシン(M),クロファジミン(C),ピラジナミド(Z)のさまざまな組合せの,9 ヵ月間の経口レジメン 5 つとを比較した.参加者を,5 つの組合せのいずれかを受ける群と,標準治療を受ける群に無作為に割り付けた(ベイズ流反応適応的無作為化を使用).主要評価項目は,73 週目における良好な転帰とし,喀痰培養 2 回の陰性,または細菌学的・臨床的・放射線学的に良好な変化と定義した.非劣性マージンは -12 パーセントポイントとした.
無作為化された 754 例のうち,修正 intention-to-treat 解析の対象は 699 例,per-protocol 解析の対象は 562 例であった.修正 intention-to-treat 解析では,標準治療群の患者の 80.7%が良好な転帰をとった.修正 intention-to-treat 集団で非劣性が示された新規レジメンは 4 つあり,標準治療と比較したリスク差は,BCLLfxZ で 9.8 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] 0.9~18.7),BLMZ で 8.3 パーセントポイント(95% CI -0.8~17.4),BDLLfxZ で 4.6 パーセントポイント(95% CI -4.9~14.1),DCMZ で 2.5 パーセントポイント(95% CI -7.5~12.5)であった.per-protocol 集団における差は,DCMZ を除いて同程度であり,per-protocol 集団では DCMZ の非劣性は示されなかった.グレード 3 以上の有害事象が発現した参加者の割合は,レジメン間で同程度であった.グレード 3 以上の肝毒性イベントは,参加者全体では 11.7%,標準治療を受けた参加者では 7.1%に発現した.
すべての解析で一貫した結果が得られたことから,リファンピン耐性結核に対しては,より短期の,全経口レジメン 3 つの有効性が,標準治療に対して非劣性であることを支持している.(ユニットエイドほかから研究助成を受けた.endTB 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02754765)