The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

February 20, 2025 Vol. 392 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

アフリカの成人に対する低用量黄熱ワクチン
Low-Dose Yellow Fever Vaccine in Adults in Africa

D. Kimathi and Others

背景

黄熱ワクチンは単回接種で高い有効性を示すが,ワクチンの供給は限られている.セロコンバージョンに必要な最低用量は依然として明らかにされていない.

方 法

ウガンダとケニアで二重盲検無作為化非劣性試験を行い,黄熱ワクチン接種歴も黄熱感染歴もない成人を,ダカール・パスツール研究所の 17D-204 黄熱ワクチンを標準用量(13,803 IU)で接種する群と,1,000 IU,500 IU,250 IU のいずれかに分割した用量で接種する群に割り付けた.主要転帰は,各分割用量群における,標準用量群と比較したワクチン接種後 28 日の時点でのセロコンバージョンとし,非劣性解析で評価した.セロコンバージョンは,プラーク減少中和試験で測定した抗体価が,28 日の時点で,ワクチン接種前の抗体価の 4 倍以上であることと定義した.非劣性解析は,per-protocol 集団と intention-to-treat 集団を対象に行った.非劣性は,セロコンバージョン率の,分割用量群と標準用量群との差の 95%信頼区間の下限が,-10 パーセントポイントを上回る場合に示されることとした.

結 果

480 例が無作為化された(各群 120 例).セロコンバージョン率は,標準用量群では 98%(95%信頼区間 [CI] 94~100)であった.セロコンバージョン率の 1,000 IU 群と標準用量群との差は,intention-to-treat 集団では 0.01 パーセントポイント(95% CI -5.0~5.1)であり,per-protocol 集団では -1.9 パーセントポイント(95% CI -7.0~3.2)であった.また,500 IU 群と標準用量群との差は,それぞれ 0.01 パーセントポイント(95% CI -5.0~5.1)と -1.8 パーセントポイント(95% CI -6.7~3.2)であり,250 IU 群と標準用量群との差は,それぞれ -4.4 パーセントポイント(95% CI -9.4~0.7)と -6.7 パーセントポイント(95% CI -11.7~1.6)であった.ワクチン関連有害事象は計 111 件報告され,うち 103 件は軽度,7 件は中等度,1 件は重度であった.有害事象の発現率は 4 群で同程度であった.

結 論

黄熱ワクチンの 500 IU という低用量での接種は,接種後 28 日以内のセロコンバージョンの誘導に関して,標準用量の 13,803 IU での接種に対して非劣性であった.(欧州・発展途上国臨床試験パートナーシップ,ウェルカムトラストから研究助成を受けた.NIFTY 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04059471)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 788 - 97. )