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March 6, 2025 Vol. 392 No. 10

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細菌性腟症の再発予防のための男性パートナーの治療
Male-Partner Treatment to Prevent Recurrence of Bacterial Vaginosis

L.A. Vodstrcil and Others

背景

細菌性腟症は生殖年齢女性の 1/3 が罹患する疾患であり,再発することが多い.細菌性腟症関連細菌は性交渉を介してパートナー間で伝播することから,男性パートナーにも治療を行うことが,治癒の確率を高める可能性が示唆されている.

方 法

非盲検無作為化比較試験を行い,女性が細菌性腟症を有し,男性パートナー 1 人と性的関係をもつカップルを組み入れた.パートナー治療群では,女性に一次治療として推奨される抗菌薬を投与し,男性パートナーに経口抗菌薬と局所抗菌薬の併用療法(メトロニダゾール 400 mg 錠の服用と 2%クリンダマイシンクリームの陰茎皮膚への塗布を,いずれも 1 日 2 回,7 日間)を行った.対照群では,女性に一次治療を行い,男性パートナーには治療を行わなかった(標準治療).主要転帰は,12 週間以内の細菌性腟症の再発とした.

結 果

カップル 81 組がパートナー治療群,83 組が対照群に割り付けられた.150 組が 12 週間の追跡期間を完了した時点で,女性のみの治療に,女性とその男性パートナーの両方の治療に対する劣性が示されたため,データ安全性モニタリング委員会の勧告に基づき試験は中止された.修正 intention-to-treat 集団において,細菌性腟症の再発は,パートナー治療群の 69 例中 24 例(35%)(再発率 1.6/人年,95%信頼区間 [CI] 1.1~2.4)と,対照群の 68 例中 43 例(63%)(再発率 4.2/人年,95% CI 3.2~5.7)に認められ,再発の絶対リスク差は -2.6/人年(95% CI -4.0~-1.2,P<0.001)であった.治療を受けた男性における有害事象は,悪心,頭痛,金属味などであった.

結 論

女性の細菌性腟症の治療に,男性パートナーに対する経口抗菌薬と局所抗菌薬の併用療法を追加した場合,12 週間以内の細菌性腟症の再発率は,追加しなかった場合(標準治療)よりも低くなった.(オーストラリア国立保健医療研究評議会から研究助成を受けた.StepUp 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12619000196145)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 392 : 947 - 57. )