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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 18, 2003
Vol. 349 No. 12

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 原発性肺高血圧症における HHV-8 の発現
    HHV-8 Expression in Primary Pulmonary Hypertension

    原発性肺高血圧症におけるHHV-8 の発現

    ヒトヘルペスウイルス 8(HHV-8)はカポジ肉腫の原因と考えられており,また,カポジ肉腫の血管病変は原発性肺高血圧症の叢状病変に類似している.この研究では,HHV-8 の分子的証拠が,原発性肺高血圧症患者 16 例中 10 例の肺組織で認められたが,その一方,二次性肺高血圧症患者 14 例ではまったく認められなかった.

    この血管指向性ウイルスは,原発性肺高血圧症の病因に役割を果している可能性がある.

  • ICU における死を予期して行う人工呼吸の中止
    Withdrawal of Mechanical Ventilation in Anticipation of Death in the ICU

    この観察研究では,死を予期して患者の人工呼吸を中止するという医師の決断の基礎となる理由が検討された.中止理由と考えられる項目に対する毎日の評価をスコア化し,最終転帰と比較した.血管収縮薬を必要とした患者,生存の見込みはわずかしかないと医師が予測した患者,あるいは生存したとしても重度の認知機能障害が残ると医師が判断した患者,および生命維持を望んでいないと医師が理解した患者が,死を予期して人工呼吸が中止された患者であった.

    この研究は,医師が医術を行ううえでもっとも困難な決断を行うさいの医師の考え方を検討している.

  • 血栓症再発予防のためのワルファリンの用量
    Intensity of Warfarin for the Prevention of Recurrent Thrombosis

    ワルファリンは,抗リン脂質抗体症候群(APS)患者の血栓の再発を予防しうるが,抗凝固薬の投与量は未解決の問題である.この無作為試験では,APS 患者を中用量または高用量のワルファリンに割り付けた.高用量レジメンが中用量レジメンよりも有効であるということはなかった.

    この試験により,APS 患者におけるワルファリンを用いた血栓予防管理についての議論は,解決に向けて一歩前進した.

  • 短報:成長ホルモン不応性と STAT5b の突然変異
    Brief Report: Growth Hormone Insensitivity and STAT5b Mutations

    成長ホルモン不応性と <i>STAT5b</i> の突然変異

    この報告は,ある十代の女子における成長ホルモン不応症候群(重度の低身長,成長ホルモンの分泌は増加するものの血清中のインスリン様成長因子 I [IGF-I] 濃度と IGF 結合蛋白 3 の濃度が低い)が,STAT5b 遺伝子のホモ接合ミスセンス突然変異に起因することを立証している.STAT5b 遺伝子は,他の多くのサイトカイン誘発機能と同じく,成長ホルモンの作用に不可欠な要素である.

    STAT5b の突然変異は,深刻な成長不全の原因である可能性がある.

CURRENT CONCEPTS

  • 結核の分子疫学
    Molecular Epidemiology of Tuberculosis

    ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の遺伝子型を決定する技術により,結核菌伝播の動態に対する理解は変化してきている.この総説では,遺伝子タイピングの方法を要約し,遺伝子タイピングがどのように臨床管理に役立つかを説明している.これらの技術は,結核管理プログラムを評価し,結核感染の原因解明の手がかりを与えるのに用いられる可能性がある.

DRUG THERAPY

  • 発達薬理学
    Developmental Pharmacology

    乳児や小児の治療に薬物を用いる者にとって,発達薬理学の統合は適切な臨床診療にきわめて重要である.代謝量,分布部位,臓器機能の変化はすべて,乳児や小児に行われている薬物治療法に影響を与える.この総説は,治療薬や関連する治療法に対する小児の反応に大きな影響を与える,発達上の変化について検討している.

    この 10 年間における小児臨床薬理学の進歩は,発育や発達が薬物の体内動態や作用に与える影響についての理解が深まったことに起因している.

CORRESPONDENCE

  • 前立腺癌のリンパ節転移を同定するための核磁気共鳴画像法(MRI)の使用
    Use of MRI to Detect Lymph-Node Metastases in Prostate Cancer

  • ホジキン病に対する化学療法
    Chemotherapy for Hodgkin's Disease

  • 進行期ホジキン病に対する放射線療法
    Radiotherapy for Advanced Hodgkin's Disease

  • 陽電子放射断層撮影(PET)とコンピュータ断層撮影(CT)の統合システムを用いた非小細胞肺癌の病期分類
    Staging of Non–Small-Cell Lung Cancer with Integrated PET and CT

  • 慢性肉芽腫症における真菌感染の予防
    Preventing Fungal Infections in Chronic Granulomatous Disease

  • ライム病の予防
    Preventing Lyme Disease

  • 意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症に隠れた HIV 感染
    HIV Infection Masquerading as Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance