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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 2, 2004
Vol. 351 No. 10

ORIGINAL ARTICLE

  • 早期乳癌に対する乳房放射線照射の併用または非併用で行うタモキシフェン投与
    Tamoxifen with or without Breast Irradiation for Early Breast Cancer

    この無作為試験では,乳癌の乳房温存手術を受けた 50 歳以上の女性を対象に,局所放射線療法+タモキシフェン投与と,タモキシフェン投与のみによる治療とを比較した.放射線療法+タモキシフェン投与では,タモキシフェン投与単独と比較して,局所再発率が大きく低下した.両群間で 5 年の時点での全生存率に有意差はなかった.
    この試験の結果から,浸潤性乳癌で腫瘤摘出術を受けた 50 歳以上の女性に対しては,放射線療法を併用したタモキシフェン投与が支持され,タモキシフェン投与単独による補助療法が行われている傾向に疑問が提起される.

  • 早期乳癌に対する腫瘤摘出+放射線療法の併用または非併用で行うタモキシフェン投与
    Lumpectomy plus Tamoxifen with or without Irradiation for Early Breast Cancer

    エストロゲン受容体陽性の早期乳癌である 70 歳以上の女性を,腫瘤摘出術後,タモキシフェン投与単独またはタモキシフェンと局所放射線照射を併用した治療に無作為に割付けた.転帰の中で有意差がみられたのは,5 年の時点での局所再発率(タモキシフェン投与群 4%,併用治療群 1%)のみであった.
    エストロゲン受容体陽性の早期乳癌である 70 歳以上の女性に対し,腫瘤摘出+タモキシフェン補助療法(局所放射線照射を併用しない)は妥当な選択である.

  • 母体血清 α -フェトプロテイン値と SIDS のリスク
    Maternal Serum Alpha-Fetoprotein Levels and the Risk of SIDS

    この研究は,スコットランドで収集された母体の特性,周産期,出生および死亡の記録に関する大規模な連結データベースの解析に基づき,単胎出産における妊娠第 2 三半期の母体血清 α -フェトプロテイン値と,その後の乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクとの有意な関連性を明らかにしている.この関連性は乳児の出生時体重と出産時の妊娠週数について補正後に弱まったものの,依然として有意であった.
    これらの知見から,子宮内の状態が,乳児の SIDS の発症のしやすさに影響を及ぼす可能性があることが示唆さ れる.

  • 視床下部性無月経の女性における遺伝子組換え型ヒトレプチン
    Recombinant Human Leptin in Women with Hypothalamic Amenorrhea

    視床下部性無月経は,レプチン濃度の低下に伴って起ると考えられている.この研究者らは,視床下部性無月経の女性 8 例に遺伝子組換え型ヒトレプチンを投与した.さらに,治療を受けていない被験者 6 例を対照として用いた.遺伝子組換え型レプチン療法によって,黄体形成ホルモン濃度の平均値と濃度上昇の頻度が増加し,卵巣関連の指標は改善した.その結果,3 例の女性に排卵が認められ,2 例に消退出血が認められた.
    レプチン投与によって,視床下部性無月経の女性の生殖機能,甲状腺機能,および成長ホルモンの機能が改善する可能性がある.

MEDICAL PROGRESS

  • 皮膚黒色腫の管理
    Management of Cutaneous Melanoma

    皮膚黒色腫の管理には課題が残っている.今年は,推定で 55,000 人の米国人が皮膚黒色腫と診断され,7,900 人がこの疾患で死亡するとされている.この総説の著者らは,皮膚黒色腫の発症機序と管理について論じ,治療選択肢の展望を示している.
    皮膚黒色腫の罹患率を低下させるための取り組みは,リスクの高い人の同定とスクリーニング,そして日焼け防止の推進に重点がおかれている.疾患を早期に発見することで転帰が改善する可能性がある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 隠れて進行し,見落とされる症例
    Undercover and Overlooked

    隠れて進行し,見落とされる症例

    67 歳の肥満男性が,2 ヵ月にわたる息切れ,乾性咳嗽,両下肢の腫脹のために主治医の診察を受けた.また,男性は首に圧迫感があり,時折喘鳴を起し,食後に呼吸困難をきたす回数がふえたと訴えた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • β 細胞はどこからきた?
    Whence the Beta Cell?

    β 細胞はどこからきた?

    ランゲルハンス島のインスリン産生β 細胞の起源は,長年にわたって議論を呼んでいる.最近の研究では,これまで幹細胞と考えられてきた細胞ではなく,むしろ β 細胞自身が新しい β 細胞を生み出していることが示唆されている.