- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 19, 2006
Vol. 355 No. 16
ORIGINAL ARTICLE
-
高齢女性における DHEA と高齢男性における DHEA およびテストステロンの効果
DHEA in Elderly Women and DHEA or Testosterone in Elderly Menこの 2 年間の無作為化二重盲検対照試験では,女性におけるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の効果と,男性における DHEA とテストステロンの効果を,プラセボと比較した.高齢被験者では,DHEA 補充療法と低用量テストステロン補充療法は,いずれも体組成,身体能力,インスリン感受性,QOL に対して生理学的に意義のある有益な効果を示さなかった.この試験の結果は,これらの薬剤の抗加齢サプリメントとしての使用を支持するものではない.
-
症候性頸動脈狭窄を有する患者における頸動脈内膜切除術とステント留置術の比較
Endarterectomy versus Stenting in Patients with Symptomatic Severe Carotid Stenosis60%以上の症候性頸動脈狭窄を有する患者を対象としたこの無作為化試験では,1 ヵ月後と 6 ヵ月後の死亡と脳卒中の発生率は,頸動脈内膜切除術を受けた患者のほうがステント留置術を受けた患者よりも低かった.
-
免疫性血小板減少症に対する AMG 531
AMG 531 in Immune ThrombocytopeniaAMG 531 は,IgG の Fc フラグメントに結合している新規ペプチドであり,トロンボポエチンと構造上の関連性はないが,トロンボポエチン受容体を刺激することができる.慢性免疫性血小板減少症患者を対象としたこの AMG 531 の第 1 相,第 2 相試験では,この蛋白質に起因すると考えられる重大な有害事象は認められなかった.AMG 531 により,およそ半数の患者で血小板数が増加したが,投与を中止すると血小板数は投与前の低い値に戻った.
-
出生時の低肺機能と 10 歳の時点での喘息
Reduced Lung Function at Birth and Asthma at 10 Years of Age乳児 802 例を対象としたこの前向きコホート研究において,出生時の低肺機能と 10 歳までの喘息リスクのあいだに有意な関連が示された.低肺機能は,1 回換気量の測定や受動的呼吸メカニクスによって定義した.これらの知見は,後の喘息と関連する気道機能の変化は,出生直後に検出できる可能性があることを示している.
CLINICAL PRACTICE
-
慢性前立腺炎と慢性骨盤痛症候群
Chronic Prostatitis and the Chronic Pelvic Pain Syndrome38 歳の男性が,この 4 週間,骨盤痛,排尿困難,尿意切迫があると訴えている.男性にはこの 2 年間に数回同様の症状がみられたが,尿培養は実施されなかった.男性は性的に活発で,射精後にたびたび不快感があると訴えている.それ以外は健康で服薬もしていない.発熱,悪寒,側腹痛はない.この男性をどのように評価し,治療すべきであろうか?
DRUG THERAPY
-
敗血症の管理
Management of Sepsis敗血症に対する治療計画は,この疾患の炎症性,凝固促進性,免疫抑制性に関する理解が深まる中で,合理化がすすんできた.この総説では,副腎皮質ステロイド,バソプレシン,強化インスリン療法のみならず,早期の目標指向療法,肺保護的人工換気,抗菌薬投与,活性化プロテイン C 投与などの追加治療の観点から,敗血症の最適な管理について考察している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
症例 32-2006:アフリカ訪問後に発熱した 3 歳の女児
Case 32-2006: A 3-Year-Old Girl with Fever after a Visit to Africa3 歳の女児が,ナイジェリア旅行から戻った 5 日後に,発熱,悪寒,倦怠感,吐気,嘔吐,寄生虫血症のため入院した.女児はマラリア予防を受けていなかった.入院時,患児には貧血と血小板減少がみられた.12 時間後,全身性の強直間代発作,低血圧を起し,寄生虫血症の悪化と共にアシドーシスが発現した.治療が行われた.
HEALTH POLICY REPORT
-
幹細胞治療に対する FDA 規制
FDA Regulation of Stem-Cell-Based Therapies著者らは,細胞ならびに組織に関する現在の規制について概説している.また,幹細胞治療の開発と検証における科学者の取り組みに対し,米国食品医薬品局(FDA)による規制の適用がいかに望まれるかを論じている.