The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 18, 2007
Vol. 357 No. 16

ORIGINAL ARTICLE

  • 子宮頸癌のスクリーニングのための HPV 検査と Pap 検査の比較
    HPV versus Pap Tests for Cervical-Cancer Screening

    カナダ人女性 10,000 例以上を組み入れたこの無作為化比較試験では,高悪性度の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)のスクリーニングの際のパパニコロー(Pap)細胞学的検査とヒトパピローマウイルス(HPV)DNA 検査について検討した.女性全員が両方の検査を受け,生検,コルポスコピー,切除手技が必要に応じて行われた.HPV 検査は Pap 検査より高感度であることが判明した.

  • 子宮頸癌のスクリーニングのための Pap 検査と HPV 検査
    Pap and HPV Tests to Screen for Cervical Cancer

    スウェーデンにおけるこの研究では,子宮頸癌のスクリーニングにおいて,Pap 検査に HPV DNA 検査を併用することの有用性が示されている.両方の検査を受けた女性では,最初のスクリーニングで高悪性度(グレード 2 または 3)の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)がより高頻度に認められたが,その後のスクリーニングにおけるグレード 3 の CIN 病変の発生率は低下した.

  • プレドニゾロンまたはアシクロビルによるベル麻痺の早期治療
    Early Treatment with Prednisolone or Acyclovir in Bell's Palsy

    ベル麻痺患者を対象としたこの無作為化試験において,9 ヵ月の時点における回復は,症状発現後 72 時間以内にプレドニゾロンの投与を受けた患者の 94%と,プレドニゾロンの投与を受けなかった患者の 82%で達成された(P<0.001).アシクロビルの投与を受けた患者の回復率は 85%,投与を受けなかった患者では 91%であった(P=0.10).プレドニゾロンによる早期治療により,ベル麻痺患者の回復は有意に改善したが,アシクロビルでは改善がみられなかった.

  • 高 IgE 免疫不全症候群の遺伝的原因
    Genetic Cause of the Hyper-IgE Immune Syndrome

    ヨブ症候群としても知られる,高 IgE 免疫不全症候群の基礎にある遺伝子を同定することは課題であった.罹患者は一般的に,IgE の値が極度に高く,ブドウ球菌による冷膿瘍,肺炎,湿疹に対して感受性を示す.この疾患の原因が今回明らかにされた.すなわち,STAT3 の変異である.

CLINICAL PRACTICE

  • 女性の脱毛
    Hair Loss in Women

    45 歳の白人女性が,1 年間にわたる頭髪の脱毛のため来院した.14 ヵ月前,女性は虫垂炎のため入院した.女性は 20 年来のベジタリアンであり,投薬は受けていない.女性の父親は頭髪がなかった.身体検査では,女性の頭皮の中央部の広い範囲に,瘢痕を伴わないびまん性の薄毛がみられた.この症例をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • 初回経皮的冠動脈インターベンション治療までの時間
    Time to Treatment for Primary Percutaneous Coronary Intervention

    ST 上昇型心筋梗塞患者の生存率は,再灌流療法の早期実施により改善する.初回経皮的インターベンションの際に,door-to-balloon time(来院からバルーン処置までの時間)を 90 分以内にするという目標が,質の高い医療のための多くの指標に組み入れられている.しかし,遅延は依然として頻繁に生じ,ここ数年間この指標にはほとんど改善がみられない.この総説では,とくに遅延が不可避な場合に,door-to-balloon time を短縮し,適切な再灌流療法を選択するための戦略について検討している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 二次乳癌を有する 62 歳の女性
    A 62-Year-Old Woman with a Second Breast Cancer

    乳癌の既往のある 62 歳の女性において,一次癌のフォローアップとして行われた MRI で,対側の乳房に腫瘤が発見された.腫瘤を切除し生検標本を検査したところ,3 段階の悪性度のうちグレード 3 で,ヒト上皮細胞成長因子受容体 2 陽性の浸潤性および上皮内の乳管癌が明らかになった.集学的チームが,管理のための選択肢を検討している.