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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 10, 2008
Vol. 358 No. 15
ORIGINAL ARTICLES
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血管疾患の高リスク患者におけるテルミサルタン,ラミプリル,および両剤併用の比較
Telmisartan, Ramipril, or Both in High-Risk Vascular Diseaseこの大規模試験では,血管疾患患者または高リスクの糖尿病患者において,アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタン,アンジオテンシン変換酵素阻害薬ラミプリル,および両剤による併用療法の比較が行われた.テルミサルタンとラミプリルの転帰は同様であったが,併用療法では有害事象がより多かった.
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タンザニア人女性の HIV 感染発生率とアシクロビル
Acyclovir and the Incidence of HIV Infection in Women in Tanzania単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)の感染は,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染リスクの上昇と関連する.この無作為化二重盲検プラセボ対照試験では,HIV 感染リスクの高いタンザニアの女性において,アシクロビルで HSV-2 を抑制しても,HIV 感染の新規診断率は低下しなかった.
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頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜剝離術の長期成績の比較
Long-Term Results of Carotid Stenting versus Endarterectomy334 例の頸動脈疾患患者を対象とした SAPPHIRE 試験で,患者 334 例のステント留置術の成績は,30 日または 1 年の時点で内膜剝離術に劣らなかった.大部分の患者ではさらに 2年間追跡調査が行われた.2 群間に,30 日以内の死亡・脳卒中・心筋梗塞,および 31 日~3 年のあいだの死亡・同側の脳卒中の複合エンドポイントに有意差はみられなかった.
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米国における流行性耳下腺炎の最近の再流行
Recent Resurgence of Mumps in the United States2006 年,米国では過去 20 年間で最大の流行性耳下腺炎の流行が起こった.計 6,584 例が報告され,推定発生率は 10 万人あたり 2.2 例であった.ワクチン接種歴の明らかな患者の 63%は,流行性耳下腺炎ワクチンの接種を 2 回受けていた.この 2006 年の流行では,英国における最近の流行の原因となった流行性耳下腺炎株と同一のものが原因となった.
MEDICAL PROGRESS
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HIV-1 サブタイプの多様性という課題
The Challenge of HIV-1 Subtype DiversityHIV-1 は,免疫制御を回避する多くの機序を進化させてきた.ウイルスは異なるサブタイプに分類可能とする見解は,新規菌株が絶えず出現するという現実を反映していなければならない.この総説では,HIV-1 のサブタイプの多様性が,疾患の進行速度が異なる可能性,抗レトロウイルス療法への応答(耐性の発現を含む),ワクチンの開発に及ぼす影響について検討する.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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症例 11-2008:肝移植後に精神の変調をきたした 45 歳の男性
Case 11-2008: A 45-Year-Old Man with Changes in Mental Status after Liver TransplantationB 型および C 型肝炎ウイルスの慢性感染とアルコール摂取が原因の末期肝疾患の 45 歳の男性が,肝移植のため入院した.9 日後,発熱と頭痛が発現し,その後,錯乱,言語不明瞭,羞明,頸部硬直が生じた.診断手技が行われた.
CLINICAL DECISIONS
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頸動脈狭窄症
Carotid Stenosisこの双方向の記事では,高血圧と脂質異常症の既往があり,70~80%の無症候性の片側性頸動脈狭窄があることが判明した 67 歳の男性の症例を紹介している.ここでは,考えられる 3 つの治療選択肢を紹介しているが,いずれも正しいように思われる.あなたならどの治療選択肢を推奨しますか? www.nejm.org でそのうちの 1 つに投票することができ,ご自分の治療の意思決定に関するコメントを投稿することもできます.投票結果および寄せられたさまざまなコメントをウェブサイトに掲載します.
HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS
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医療アウトソーシングにおける法律上および規制上の問題
Legal and Regulatory Issues in Medical Outsourcing海外の放射線専門医による画像検査の読影など,医療サービスのアウトソーシングが一般に行われるようになっているが,保険料の支払い,患者のプライバシー,医療の質,医療過誤に関連する多くの規制上の問題が生じている.著者らは,医療のアウトソーシングの法律的背景と,関連する課題について検討している.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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活性化プロテイン C と糖尿病性腎症
Activated Protein C and Diabetic Nephropathyマウスを用いた実験により,活性化プロテイン C の局所的な産生は糸球体内皮細胞を維持し,糖尿病性腎症を防ぐ中心的役割を果たしていることが示されている.