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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 7, 2010
Vol. 362 No. 1
ORIGINAL ARTICLE
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黄色ブドウ球菌の鼻腔内保菌者における手術部位感染の予防
Preventing Surgical-Site Infections in Nasal Carriers of S. aureus黄色ブドウ球菌は,手術部位感染の重要な原因である.この無作為化試験では,入院時に行う迅速スクリーニングと,ムピロシン鼻腔軟膏塗布・クロルヘキシジン皮膚洗浄による除菌により,術後の手術部位感染が減少した.
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手術部位の消毒に用いるクロルヘキシジンアルコール
Chlorhexidine-Alcohol for Surgical-Site Antisepsis皮膚は,手術に関連した感染症の好発部位である.この多施設無作為化試験により,皮膚消毒として行うクロルヘキシジンアルコールの術前塗擦は,ポビドンヨードに比べて,切開創感染の予防に有効であることが示された.
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妊産婦における 2009 H1N1 インフルエンザの重症化
Severe 2009 H1N1 Influenza in Pregnant and Postpartum Women妊娠女性では,インフルエンザ感染によって,臨床的に意義のある合併症のリスクが増加する.この研究では,2009 年 4 月 23 日~8 月 11 日にカリフォルニア州で 2009 H1N1 インフルエンザに感染して入院した妊娠可能年齢の女性 239 例に関する報告データを分析した.このうち 94 例が妊娠中で,8 例が産後であった.妊娠女性 18 例と産後女性 4 例が集中治療を要し,8 例が死亡した.2009 H1N1 ウイルス感染は,妊産婦に重大な病態と死亡をもたらす可能性がある.
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DENND1B の変異と小児喘息
Variants of DENND1B and Asthma in Childrenヨーロッパ系の喘息児を対象としたゲノムワイド関連研究から,染色体 1q31 上の遺伝子座と喘息との関連が認められ,ヨーロッパ系の症例対照コホートとアフリカ系小児の症例対照コホートで再現された.喘息と関与する遺伝子座には,免疫系のナチュラルキラー細胞と樹状細胞で発現される DENND1B が含まれている.
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アルゼンチンにおける 2009 H1N1 インフルエンザに関連した小児の入院
Pediatric Hospitalizations Associated with 2009 H1N1 Influenza in Argentina世界的な 2009 H1N1 インフルエンザパンデミックにおいて,小児はとくに疾患が重症化しやすい.ブエノスアイレスの冬季(2009 年 5 月~7 月)における 2009 H1N1 インフルエンザに関連した小児死亡率は,2007 年の季節性インフルエンザに関連した小児死亡率の 10 倍であった(10 万人あたり 1.1 対 0.1).
CLINICAL PRACTICE
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ステージ 4 の慢性腎臓病
Stage IV Chronic Kidney Disease2 型糖尿病を有する 54 歳の女性が治療のため受診した.クレアチニン値は,4 年前は 1.1 mg/dL(97 μmol/L)であったが,最近 3.1 mg/dL(274 μmol/L)まで上昇した(推定糸球体濾過量 26 mL/分/1.73 m2 体表面積).尿中蛋白排泄量は 2.8 g/24 時間である.血圧は 155/90 mmHg で,糖化ヘモグロビン値は 7.6 mg/dL である.現在受けている薬物療法には,経口血糖降下薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,スタチン,サイアザイド系利尿薬が含まれる.この女性をどのように管理すべきであろうか?
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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疼痛を伴う紫色の足趾
Painful Purple Toes57 歳の男性が,3 本の左足趾が紫色に変色し痛みを伴ったため,救急部を受診した.ここ 3 週間,間欠的な霧視,間欠性の胸痛,疲労,食欲不振,大量の寝汗,7 kg の体重減少もみられた.男性の同居者によると,男性は軽い錯乱状態であったという.